コラム

COLUMN

日本の宇宙予算ってどう使われてるの?

日本の約3000億円の宇宙に係る政府予算の大部分は、宇宙インフラ構築に費やされており、その大部分がJAXAに配分されている。

 

主要な受注企業としてはロケットの製造に三菱重工やIHIエアロスペース、川崎重工が、衛星バスの製造に三菱電機やNECが、衛星や地上局のシステム開発にNECや富士通などがある。

 

日本の宇宙予算によって製造を受注する企業はこれらの老舗メーカーが多くを占めている。

 

 

新宇宙基本計画等を踏まえ、大きく分けて「災害対策・国土強靭化や地球規模課題の解決への貢献」、「宇宙科学・探査による新たな知の創造」、「次世代航空科学技術の研究開発」の3分野を推進するために使われている。

 

令和3年度の宇宙予算要求では、「災害対策・国土強靭化や地球規模課題の解決への貢献」のために以下のような研究開発が行われている。

 

・超広域(観測域200㎞)の被災状況の迅速な把握や自然現象(地殻変動等)の緻密な観測のための先進レーダー衛星ALOS-4の開発。主要な老舗メーカーの他に近年は、スタートアップ企業のQPS研究所やSynspectiveが小型レーダー衛星の開発を行っている。

・温室効果ガスや、海面上昇、降水量等の観測のためのセンサー(マイクロ波放射計ASMR3等)を搭載した衛星の開発(環境省と共同開発)。

 

「宇宙科学・探査による新たな知の創造」では、ISSへの補給ミッションや月面探査を目指すアルテミス計画などの国際宇宙探査への貢献を目指す。具体的にはISS補給機HTV-Xの開発、月周回有人拠点ゲートウェイに対する有人滞在技術等の技術開発を行う。

 

「次世代航空科学技術の研究開発」では、運用コストの半減や打ち上げニーズへの柔軟な対応を目指したH3ロケットの開発や、次世代の通信衛星技術・宇宙輸送技術(スペースプレーンなど)の開発を目指している。

 

防衛省は、安全保障を目的とした宇宙監視のために測位衛星や観測・画像取集衛星、通信衛星の利用を行っている。他にも・宇宙環境でのスペースデブリや衛星の位置情報を把握するための宇宙状況把握(SSA)システムの構築もある。

 

 

ちなみに、米国や中国、ロシアなどは多数の軍用衛星を配備し、宇宙システムの軍事利用が進められている。これにより各国の対英製兵器(ASAT)関連技術も進展しており、宇宙空間の安定的利用のための技術(SSAシステムの構築など)が求められている。

 

その他の省庁では次のような取り組みがある。

・内閣府の管轄する準天頂衛星システムの構築と運用(内閣府)

・農水産業でのリモートセンシング技術の活用(農林水産省)

・政府衛星データのオープンフリー化とデータ利用促進(経済産業省)

・自動運転などモビリティサービスの推進(国土交通省)

 

 
 
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