コラム

COLUMN

常識を覆すSpace-X社のロケットとは

Space-X社は、TESLA社の創業者であるイーロン・マスク氏によって設立されたロケット・宇宙船開発、宇宙輸送業務を行うアメリカの企業です。2020年8月には、民間企業で初めて宇宙飛行士を乗せて地球と宇宙を往復することに成功しました。Space-X社の開発している宇宙船“スターシップ”は何が凄いのか解説します。

 

 

  1. 世界初の完全再使用型ロケット

スターシップは、完全再使用型の二段式大型ロケットです。従来のロケットは使い捨て型であり、一度のみしか実運用できないシステムになっていましたが、スターシップは打ち上げ後、地球に垂直着陸が可能で、丸ごと再利用できるタイプになっています。下部の第1段にはブースターである “スーパー・ヘビー”が接続され、その推力によって地球周回軌道まで打ち上げられます。このスーパー・ヘビーも完全再使用が可能となっています。

 

 

  1. 史上最大のロケット

ロケットは2段式で、ブースターのスーパー・ヘビーが第1段、宇宙船のスターシップが第2段で設計されています。スーパー・ヘビーは全長70m、直径9mで、29基から33基のエンジンを装備しています。スターシップは全長50m、直径9mで6基のエンジンを装備しています。スターシップとスーパー・ヘビーが接続されることで、全長120m、直径9mもの巨大な機体になり、ヒトであれば100人、または100トンの積載物を搭載できる史上最大のロケットとなります。

 

  1. 打ち上げの低コスト化

従来のロケットは、機体を打ち上げごとにすべて使い捨てていたため、それが高コストの要因となっていました。旅客機のように何度も飛ばせるようにすることで、打ち上げをはじめとする火星飛行のコストを大きく引き下げ、1回あたりの打ち上げコストは約200万ドル(約2億円)と破格の安さを目指しています。

 

 

2021年4月、スターシップは有人月探査計画のアルテミス計画で使用する月着陸船に選定されました。この場合、打ち上げられたスターシップは地球に帰還せず、月周回軌道を回る中継ステーション「ゲートウェイ」と月面の間の往復機となる予定です。

 

Photo Credit: Space-X