コラム

COLUMN

世界のロケット最前線!〜欧米編〜

近年、世界中で様々なロケットの開発が行われています。来年以降に打ち上げを予定している多くのロケットは、今後の宇宙開発にどのように影響を与えるのでしょうか。この記事では、ロケット開発の「今」と「これから」のトレンドを国別で説明します。まずは、アメリカ、ロシア、ヨーロッパの3カ国です。

 

<アメリカ> キーワード=再利用・民間企業

現在、アメリカでは民間企業によるロケットの打ち上げが多く行われています。例えば、実業家のイーロン・マスク氏が創業したスペースX社のファルコン9ロケットがあります。ファルコン9ロケットは機体の第一段目が地球に帰還し、再利用が可能となっています。また、2020年5月には、スペースシャトル引退後初となるアメリカ製の有人宇宙船「クルードラゴン」を打ち上げるなど、スペースX社はNASAとの結びつきが非常に強い民間企業です。

 

スペースX社のファルコン9ロケット

Credit: flickr

 

 

スペースXの他にも、ニュージーランドで打ち上げを行うロケットラボ社のエレクトロンロケットがあります。小型のロケットで、小型衛星の相乗りなどにより、地球観測衛星の打ち上げに貢献しています。また、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏が設立したブルーオリジン社のニューグレンロケットの打ち上げも予定されており、再利用可能ロケットとして注目されています。

 

 

そして、NASAが主導する有人月探査計画「アルテミス計画」で使用されるSLS(Space Launch System)ロケットの開発・組み立ても大詰めを迎えています。2022年2月に打ち上げ予定の、アルテミス1ミッションで使用されるSLSの組み立ては完了しており、あとは打ち上げを待つのみとなっています。

 

NASAのSLS

Credit: NASA

 

 

<ロシア> キーワード=安定した技術

ロシアは1960年代から現代にかけて、同じ系列であるソユーズロケットを改良して使用し続けています。有人宇宙船ソユーズや、国際宇宙ステーション補給船プログレスの打ち上げに用いられ、安定した打ち上げ成功率を誇ります。ロシアのソユーズロケットは、エンジンを大量に束ねたクラスター方式が特徴です。また、2021年7月には、プロトンロケットで国際宇宙ステーションのモジュール「ナウカ」の打ち上げに成功しました。

 

Credit: flickr

 

<ヨーロッパ> キーワード=多くのバリエーションを持つ

ヨーロッパでは、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)が宇宙開発を統括しており、射場は南米の赤道直下ギアナにあります。現在はESAが開発したアリアン5ロケットが運用されており、大型衛星を2機同時に打ち上げることができるパワーを持ったロケットです。また小型のヴェガロケットも運用されています。今後はアリアン系列の最新作、アリアン6ロケットが2022年に打ち上げられる見込みです。

 

ESAのアリアンロケット

Credit: Twitter_Arianespace

 

アメリカ、ロシア、ヨーロッパと3つの国のロケットについて概略を見てきました。長年培ってきた技術を生かしながら、最新技術を取り入れたロケットが進化し続けています。次回は、インド、中国、韓国、日本のロケットについてトレンドを紹介します。

2021.12.6
2021.12.1
2021.11.30