小型SAR衛星の開発・運用を行う株式会社QPS研究所(福岡市中央区、代表取締役社長CEO 大西俊輔)は、2024年1月17日に、小型SAR衛星QPS-SAR 5号機「ツクヨミ-Ⅰ」の最初の画像(ファーストライト)を公開した。
「ツクヨミ-Ⅰ」は、2023年6月に打上げられた初の商用機であるQPS-SAR6号機「アマテル-Ⅲ」に続く、衛星コンステレーションを構築するための2機目の商用機。
昨年12月15日に米国Rocket Lab社のロケットElectronにより打上げられ、地上との交信、アンテナ展開にも成功。その後、衛星機器の微調整を続け、取得された画像の公開に至った。
QPS-SARは、初期運用の段階で電波の出力を徐々に上げながら試験的に観測を行い、定常的な観測ができる出力値まで徐々に調整をしている。
公開されたのは、2024年1月13日〜15日にかけて観測された画像で、①(広島市)は定常的出力による観測、②(能登市)は約1/2の出力、③(北九州市関門海峡)は約1/4の出力で観測したものとなっている。
① 広島県広島市全体
①−1 広島城付近の拡大図
①−2 港に車が並ぶ様子の拡大図
②石川県輪島市
③北九州市関門海峡
同社では今後、引き続き衛星の姿勢制御の調整を行いつつ、「アマテル-Ⅲ」と同様にアジマス(衛星の進行方向)、レンジ(衛星のマイクロ波を照射する方向。もしくは、衛星の進行と直交する方向)分解能ともに46cmの高解像度モードでの観測を開始するとしている。