INAMI Space Laboratory株式会社(以下INAMI Space Laboratory)は2023年3月3日、宇宙での利用を想定した点滴装置の試作品をIHIエアロスペース、ニプロと共同で開発したと発表しました。INAMI Space Laboratoryは、将来民間の宇宙旅行が身近になれば宇宙での医療が必要になると見込み、企業や大学と連携して宇宙事業の新規ビジネスに育てることを目指しています。
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宇宙向け点滴装置の概要
同社によると、この点滴装置は微小重力で電気がない宇宙でも輸液を体内に注入できるというもの。試作品は、切削工具大手のOSGに協力を依頼し、3Dプリンターで積層造形されており、性能実証や製品化など詳細は今後詰めていくとしています。
また、東京慈恵会医科大学の瀧澤玲央外科学講座血管学科助教や、国際医療福祉大学成田病院の黒住献医学博士に評価や改良点などの意見を求め、試作品の改良を進めていく計画です。
現状は健康優良な宇宙飛行士が宇宙に滞在するため、医療問題は少ないとされていますが、今後宇宙旅行サービスが普及すれば、健康に不安のある個人が宇宙に行くケースも生じるため、点滴装置の需要が見込まれています。また、地上においても災害時や南極などの特殊環境で活用される見込みです。
INAMI Space Laboratory株式会社について
2022年に創業したINAMI Space Laboratoryは、地方の特産品を活用した小型ロケットを活用し宇宙イベントによる地方活性化や、世界のロケットベンチャーと提携し宇宙への定期輸送を行っています。代表取締役である稲波紀明がVirgin Galactic社の宇宙旅行に申し込んでおり、早ければ年内に宇宙旅行を実現。これから民間人が宇宙に進出する時代を迎えることを想定し、宇宙飛行士のような健康な方だけでなく、高齢者や障がい者、医療が必要な方も含め人類誰もが宇宙に行ける時代を創るために必要な取り組みを行っています。今後個人の宇宙旅行が身近になれば宇宙での医療が必要になることを想定し、宇宙医療分野の開発を進めています。