日本初、宇宙からの観測により「風の地図」の作成を目指す
株式会社グリーンパワーインベストメント(以下GPI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2023年3月13日、国立研究開発法人科学技術振興機構(以下JST)の受託事業「超広帯域アンテナ・デジタル技術を用いたレーダ及び放射計の開発と実証」の一環として、「超広帯域電波デジタル干渉計(以下SAMRAI)の洋上風力発電分野利用の検討」に関する協定を締結したと発表しました。GPIとJAXAは本協定のもと、両者の強みを生かし「SAMRAI」による海上風速データを「風の地図」として可視化し、洋上風力発電事業における適地選定の効率化に向けた検証を実施していく考えです。
JAXAの「SAMRAI」は、従来にはない超広帯域での電波スペクトルの観測を可能とし、雲や雨など天候の影響を受けずに精度の高い海上風速を観測することができます。現在は、航空機搭載による技術開発・検証を実施しており、2026年度に衛星へ搭載した実証機を打上げることを目指して研究開発を進めています。
GPIは、地域の資産や強みとなるようなエネルギーづくりを加速すべく、日本最大規模の陸上風力発電所や、石狩湾新港での洋上風力発電所の開発など、最新技術を活用し風力発電の普及拡大を推進しています。また、JAXAは、洋上風力・気象防災・漁業といった様々な分野の事業者に対して「SAMRAI」の観測データの提供と社会実装を目指しています。
GPIとJAXAは、日本初となる「風の地図」を活かしてエネルギー自給率向上に欠かすことができない風力発電事業の普及拡大を推進し、温室効果ガスの削減を目指す政府方針のもと、洋上風力発電の主力電源化、日本のエネルギー安全保障を目指した活動を進めていくとしています。