Credit: 株式会社岩谷技研 プレスリリース
2024年7月18日、気球による「宇宙遊覧フライトSM」を目指している株式会社岩谷技研（北海道江別市、代表取締役CEO 岩谷圭介）は、2024年7月17日に、北海道十勝地方で実施したフリーフライト有人飛行試験にて、国内で初めて、気球による有人飛行で過去最高となる最大到達高度20,816mの成層圏に到達したと発表した。
岩谷技研は2022年2月に係留飛行試験を福島で実施して以降、徐々に高度を上げながら、北海道を中心に飛行試験を重ねてきた（参考記事）。
7月17日に行われた試験では、今後の商業運航で用いられるものと同型のキャビンと生命維持装置の成層圏低圧環境下での運用試験、および同社気球による高度2万m付近への到達実証を目的に、午前2時40分に北海道士幌町を離陸。最高高度20,816mの成層圏に到達した後、午前7時36分に北海道帯広市に着陸した。
飛行距離は41km、飛行時間は4時間56分だった。
Credit: 株式会社岩谷技研 プレスリリース
同社の本番の商業運航では、飛行高度18,000～25,000mの運航が想定されている。
今回、本番の運航と同じ高度帯に到達したことは、世界初の気球による「宇宙遊覧フライト」の商業運航実現に大きく近づいたといえる。
同社では、今回の試験で明らかになった課題として「気象条件、電波状況に合わせた各種航行支援システムの運用」「船内結露の解消（視認性の向上）」「気象条件に合わせた着陸コントロール技術の向上」の3点を挙げており、今後、各種検証を行い、本番飛行へ向けて引き続き飛行試験、開発を進めていくとしている。
