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岩谷技研、ガス気球の有人飛行試験で到達高度6,072mを達成-次回は成層圏へ

気球による宇宙遊覧を目指す宇宙開発企業の株式会社岩谷技研(北海道札幌市、代表取締役CEO 岩谷圭介)は、2023年7月23日に北海道新得町にて自社開発の高高度ガス気球と気密キャビンを使用した有人飛行試験を実施し、最大到達高度6,072mに達したと発表した。

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Credit: 株式会社岩谷技研

新型Type-9キャビンによる高度6,000m越えに成功、高度25kmの宇宙遊覧実現を目指す

同社は2022年2月に福島県相馬市で行った高度30mの有人係留飛行試験の成功を皮切りに、ほぼ毎月、道内外の実験場で係留飛行訓練を実施している。
同年9月には北海道余市町での実験で高度30mでのフリーフライト(非係留自由飛行)に成功。十分な安全が担保されたことを確認し、11月に高度100m、2023年2月に高度400m、3月に1,200m、4月に2,800m越えを達成してきた。

今回の飛行には新型の「Type-9」気密キャビンが使用された。この新型キャビンは外気圧の影響を受けず、内部が一定の気圧に保たれるほか、酸素や二酸化炭素、水蒸気量など、内部空間の空気成分をコントロールできる生命維持装置が備わっている。
高度4,000mを超えると生身での呼吸ができなくなるため、今回はこの新型キャビンが必要不可欠だったという。

打上げは天候の影響で予定より一時間遅れたものの、飛行は順調に推移。同社研究開発部の及川明人氏がパイロットとして操縦するType-9キャビンは、最大到達高度6,072m、飛行距離26.35km、飛行時間131分を達成した。同社によれば、飛行中のキャビンは正常に機能し、内部環境は適切に維持されたという。

今回の試験は、最終目標の高度25kmへの飛行に必要な気球およびキャビンの技術検証をすべて確認できた初試験として、大きなマイルストーン達成となった。

同社は2022年2月に初の係留飛行試験を実施して以来、延べ35名以上の所員が実験キャビンに搭乗し、飛行訓練と実証データの収集・蓄積を行っている。
今回の6,000m越え自由飛行試験の成功を経て、次は8月中にも高度12,000m(成層圏)への到達を計画中だ。

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