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3/25宇宙ニュース・NASA、国家宇宙政策の実現に向け戦略再設計 月面基地・LEO構想を刷新 ほか3件

NASA、国家宇宙政策の実現に向け戦略再設計 月面基地・LEO構想を刷新

月面基地のイメージ画像
Credit: NASA

2026年3月24日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、トランプ政権の国家宇宙政策実現に向けた一連の取り組み計画を発表しました(NASAによる発表)。

この発表は、同日にワシントンD. C.のNASA本部で行われたイベント「イグニッション・デイ」に合わせて行われたもので、宇宙におけるアメリカの主導権を確保するとともに、喫緊の課題への対応、科学的発見の可能性も秘めたものだとしています。

具体的には、先日発表された月探査ミッション「アルテミス計画」の変更(参考記事)に伴い、商用・再利用技術を導入することでより高頻度な有人月面ミッションの実現を目指すとされたほか、3つのフェーズからなる月面基地の建設構想が明らかにされました。

一方で、月面基地計画推進の一環として、月軌道を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」は、現状の形での構築は一時停止するとされました。

また、地球低軌道(LEO)での米国のプレゼンス維持に向けて、政府保有のコアモジュールを国際宇宙ステーション(ISS)に接続して運用・検証した後、分離して商用ステーションへ移行する構想に加え、宇宙経済活性化に向け産業界の参入機会を拡大する方策を進めるとしています。

そして、地球科学から深宇宙までの科学ミッションを実施するとともに、前述の月面基地は将来的な月・火星探査にも寄与するとしました。

さらに、科学研究と国家宇宙政策双方に対応するものとして、宇宙での原子力発電・推進システムの実用化にも言及。2028年末までに、火星に向け初の原子力電気推進システムを使用した宇宙機「スペース・リアクター1・フリーダム(Space Reactor‑1 Freedom)」を打ち上げるとしました。

アルテミス計画を含め、LEOから深宇宙まで幅広い領域での米国の戦略の変更は、宇宙空間における国家間の競争激化や商業化の進展を反映するものといえます。

Space Compass、スイス企業とGEO光データリレー衛星の調達契約を締結

2026年3月23日、スカパーJSAT株式会社日本電信電話株式会社の合弁会社である株式会社Space Compass(東京都千代田区、代表取締役Co-CEO:小松大実、堀茂弘)は、小型静止軌道衛星や宇宙用ペイロードの開発を手がけるSWISSto12(スイス・ルナン、CEO:Emile de Rijk)と、静止軌道(GEO)光データリレー衛星(1号機)の調達契約を締結したと発表しました。

これにより、従来は数時間を要していた観測衛星等からのデータ伝送について、GEO衛星経由での大幅な時間短縮が可能となり、観測衛星データの即時性向上が期待されるということです。

Space Compassでは、リアルタイムな観測衛星データの活用を可能とする光データリレーネットワークの構築を目指しており、今回の契約は、光データリレーサービスの実現に向けた重要なマイルストーンになるとしています。

また、SWISSto12にとっても、同契約は、同社が提供する小型GEO衛星プラットフォームが多様な宇宙ミッションに対応可能であることを示すものになるということです。

WHERE、衛星データ等を活用し震災時の物件単位の被害度分類システムを開発

Credit: 株式会社WHERE プレスリリース

2026年3月24日、株式会社WHERE(東京都文京区、代表取締役CEO:阿久津岳生)は、3D都市モデルと衛星データを組み合わせた物件単位の災害被害度分類システムを開発したと発表しました。

これは、国土交通省が推進する「Project PLATEAU」のユースケース開発の一環として実施されたもの。同システムは、一部のユーザーに向けて提供が開始されているということです。

同社が提供する不動産AIツール『WHERE』で災害直後の衛星データと各社の管理物件や地番情報を紐づけることで、発災直後の建物と道路の被害状況を直感的に確認できるということです。

具体的には、災害直後の合成開口レーダー(SAR)衛星の画像を元に、物件ごとに「被害なし/被害小/被害中/被害大」を自動で分類する「被害度レイヤー」、被害情報をもとに物件ごとのフォロー状況を記録・管理できる「ステータス管理」、各不動産会社や自治体が保有する物件リストをインポートしたり、付与された被害状況を書き出せる「インポート/エクスポート」機能があり、WHEREは、同サービスの提供により地方公共団体・民間企業双方における災害復旧の早期化を支援していくとしています。

【ミニレポート】「スポーツ×宇宙」の連携に向けた取り組みが始動 ともに極限に挑む異分野の融合

記者発表会の冒頭で挨拶する東京科学大学副学長の室伏広治氏

2026年3月24日、東京都中央区のX-NIHONBASHI TOWERにて、スポーツ庁、一般社団法人クロスユー主催の「スポーツ×宇宙」の連携に向けた検討委員会による記者発表会、パネルディスカッションが開催されました。

この取り組みは、オリンピック・ハンマー投げ金メダリストで現在は東京科学大学副学長を務める室伏広治氏がスポーツ庁長官を務めていた際に主導したもの。

記者会見の冒頭、室伏氏は、極限的な環境でハイパフォーマンスを発揮するという点でトップアスリートと宇宙飛行士には共通点があると指摘。取り組みの発案経緯を語りました。

室伏氏のもとで組織された検討委員会には、スポーツ科学、栄養学、生物・医学の専門家などに加え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で宇宙飛行士の活動や健康をサポートする宇宙飛行士運用技術ユニットのメンバーも参画。

さまざま領域を専門とするメンバー間での議論を経て、今後取り組むべき研究テーマとして下記5つを発表しました。

  1. トップアスリートと宇宙飛行士の一体的な強化に資するトレーニングの検討・実証
  2. 人の能力拡張 重力・非重力研究/一器多様研究
  3. 環境適応(生き残る力/生きる楽しみを拡げる)
  4. 宇宙スポーツ(生きる楽しみの拡張/公開・参加型)
  5. 宇宙でのクリエイティビティ発揮と地上でのライフパフォーマンス向上

各委員からは、委員会での議論から得られた気づきなどが共有され、多分野の研究知見が集まることで、新たな研究の方向性や価値が生まれる可能性があることも示されました。

その後、会場では「宇宙とスポーツが出会うとき、ビジネスがどう創出されるのか ―センシングと遠隔技術が拓く“新たな産業の展開” ―」「極限環境で“直観”はどのように発揮されるのか ― トップアスリート・宇宙飛行士に学ぶ―」と題した2つのパネルディスカッションが行われました。

スポーツや健康領域のIoTデバイスを開発する起業家やアウトドア用具メーカー経営者、アスリート、ダンサー、宇宙飛行士、研究者など多彩なパネリストが参加してビジネス創出の可能性、極限環境におけるメンタルの重要性や、「直観」の働きについて各人の経験・身体感覚などが語られ、スポーツと宇宙という切り口は新たな発見につながる余地が大きいことも感じられました。

2つめのパネルディスカッション「極限環境で“直観”はどのように発揮されるのか ― トップアスリート・宇宙飛行士に学ぶ―」の登壇者。左から、久木留 毅氏(日本スポーツ振興センター理事、ハイパフォーマンススポーツセンター長/国立スポーツ科学センター所長)、松崎一葉氏(筑波大学 産業精神医学宇宙医学グループ 名誉教授)、室伏広治氏(東京科学大学 副学長)、山崎直子氏(宇宙飛行士/Space Port Japan 代表理事)、辰野 勇氏(モンベルグループ代表・創業者/京都大学 特任教授)、TAKUMI氏(THE JET BOY BANGERZ/CyberAgent Legit)、木村敬一氏(パラ水泳日本代表・パラリンピック金メダリスト、東京ガス)

人類の活動領域が宇宙へと広がりつつある今、スポーツという身体活動が宇宙空間でどのように変わるのか、そして、新しい価値が生まれるとすればそれはどのようなものか。これからの「スポーツ×宇宙」の研究成果に期待が集まります。

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