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NASA、有人ミッション「アルテミスⅢ」の暫定計画を発表 LEOで各種実証を実施

Credit: NASA/Jim Ross
2026年5月14日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、一連の月探査計画「アルテミス計画」の3つ目のミッションとなる「アルテミスⅢ」の暫定計画を発表しました(NASAによる発表)。
今年2月、NASAはアルテミス計画の当初予定からの変更を発表しており、「アルテミスⅢ」では月には向かわず、地球低軌道(LEO)で着陸船(ランダー)やシステム等の試験を行うとしていました(参考記事)。
今回の発表によると、「アルテミスⅢ」ではNASAの宇宙船「オリオン(Orion)」と、民間宇宙企業Blue Origin、およびSpaceXの商用ランダーとのランデブー・ドッキング機能の実証が行われるとのこと。2月の発表では、ランデブー・ドッキング機能の実証はBlue OriginとSpaceXのどちらかとなる場合もあるとされていましたが、両社のランダーによる実証を前提に計画が進められている模様です。
また、クルーは4人が搭乗し、10日間かけて月周回を行った「アルテミスⅡ」よりも長い期間宇宙に滞在し、生命維持システムの評価や、初となるドッキングシステムの実証を実施するということです。
NASAでは今後、宇宙飛行士の選定スケジュールや具体的なミッション期間などの詳細の精査を進めていくとしており、Axiom Spaceが開発中のAxEMU宇宙服とランダーとのインターフェースの評価を行うかなども検討するとしています。
米スパイア、ドイツ・ミュンヘンに小型衛星の製造拠点を新設
2026年5月7日、衛星データ分析等を手がける米スパイア・グローバル(アメリカ・バージニア州、CEO:Theresa Condor、以下Spire)は、ドイツ・ミュンヘンに衛星製造施設を開設したと発表しました(Spireによる発表)。
新施設は当面、衛星を活用してGNSS(全球測位衛星システム)に依存しない航空機位置特定能力の実現を目指す欧州宇宙機関(ESA)の取り組み、「EURIALOプロジェクト」の軌道上実証で使用される衛星の開発拠点になるということですが、その後は国家安全保障上の要件に沿った、即応型の衛星ミッションのための基盤となることを目指すとしています。
Spireでは、今回ミュンヘンに拠点を新設したことについて、欧州の技術主権強化に向けた取り組みの一環と説明。他国に依存しない宇宙能力をもつことへの需要が増す中、同施設は、ドイツ国内の宇宙インフラを支援するとともに、宇宙ベースの情報収集能力の不足を補うための拠点となるとしています。
カナダのMDAスペース、モントリオールの衛星製造施設を拡張 量産体制を強化

2026年5月8日、カナダの宇宙開発企業MDAスペース(カナダ・ケベック州、CEO:Mike Greenley、以下MDA Space)は、ケベック州・モントリオールにある同社の衛星製造施設を拡張したと発表しました(MDA Spaceによる発表)。
同社では施設拡張に約2年前に着手。185,000平方フィート(約17,187平方メートル)もの面積を新たに追加したことで製造スペースが2倍となり、主力製品である「MDA AURORA™」シリーズの迅速な納品が可能になるとしています。
また、同施設には拡張現実(AR)や自動化機器といった技術が導入されているほか、同社独自の試験チャンバーなども設置されており、品質を確保しつつ、短期間で大量に衛星を製造することができるようになったということです。
同社では将来的には年間最大400機の衛星製造を視野に入れているとのことで、世界的な衛星活用ニーズの高まりに応える動きといえます。
英Open Cosmos、欧州向け地球観測コンステレーション用衛星の審査通過を発表
2026年5月12日、衛星コンステレーション開発などを行うオープン・コスモス(イギリス・ディドコット、創業者兼CEO:Rafel Jorda Siquier、以下Open Cosmos)は、スペイン宇宙機関(AEE)が欧州宇宙機関(ESA)と協力して管理する衛星地球観測プロジェクト「アトランティック・コンステレーション(ESCA)」のスペインセグメントを構成する地球観測衛星8機の詳細設計審査(CDR)を通過したと発表しました(Open Cosmosによる発表)。
各衛星には可視近赤外線(VNIR)、自動船舶識別システム(AIS)、IoT、GNSS反射測位(GNSS-R)といった複数のペイロードが搭載され、衛星が取得したデータは森林火災・洪水・火山噴火の際の緊急対応支援や、海岸浸食モニタリング、海洋監視、遠隔IoT接続サービス等に活用される予定だということです。
ESCAは、総額3,000万ユーロ(約55億円)の資金のもと、16機の衛星からなるコンステレーションを構築する計画。CDRを完了したことで、Open Cosmosは、衛星製造や試験、ソフトウェアの統合を開始するということです。
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