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スペースワンの「カイロス」3号機、打上げ68.8秒で飛行中断

2026年3月5日午前11時10分、スペースワン株式会社(東京都港区、代表取締役社長:豊田正和)は、和歌山県串本町のスペースポート紀伊からロケット「カイロス」3号機の打上げを実施しましたが、打上げ68.8秒で飛行中断措置がとられ、打上げは失敗しました。
同社は2024年に初号機、2025年に2号機の打上げを行っており、今回の3号機打上げは3度の延期・中止を経て実施されましたが、残念ながら成功しませんでした。
きょう午後3時から行われた記者会見では、代表の豊田正和氏、副社長の関野展弘氏、取締役の遠藤守氏、渉外本部長の阿部耕三氏が登壇しました。
会見で豊田氏は、ミッション達成が叶わなかったことについて、搭載していた衛星の事業者や関係者へお詫び。一方で、ロケット開発は一直線に進むものではなく、今回の経験からノウハウを蓄積できることは前進であると語りました。
また、副社長で開発本部長の関野氏は、現状では原因は今後調査していくとしながらも、天候は風も含め問題なく、また飛行状況や経路に異常は見られなかったため、機体に大きな問題はなかったのではないかという見方を示しました。
一方で、自律飛行安全システムに何らかの異常があった可能性を示唆しましたが、まずは原因の究明・対策を進めたいとしました。
なお、会見の最初に、経済産業省 製造産業局長の伊吹英明氏がオンラインで登壇。経済産業大臣・赤澤亮正氏からの「打上げへの挑戦自体に意味があり、諦めず挑戦を続けてほしい。宇宙は経済のみならず安全保障面でも重要な領域であり、省として支援していく」と述べ、伊吹氏も「民間の挑戦を支えていくという姿勢に変わりはない」とコメントを寄せました。
荏原製作所とISC、電動ターボポンプを用いたロケットエンジンの着火試験に成功

Credit: 株式会社荏原製作所 プレスリリース
2026年3月4日、株式会社荏原製作所(東京都大田区、取締役 代表執行役社長 CEO兼COO:細田修吾)と将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎、以下ISC)は、今年1月19日から30日にかけ、荏原が開発を進めるロケットエンジン用電動ターボポンプを搭載した液体燃料ロケットエンジンの着火試験を実施し、成功したと発表しました。
荏原製作所は2021年に宇宙事業に関するチームを発足、ロケットエンジンに燃料を供給する電動ターボポンプの開発や宇宙機向け排熱システム用ポンプの開発に取り組んでおり(参考記事1、参考記事2)、2024年8月にはISCと包括協定を締結、電動ターボポンプを用いたロケットエンジンの実現に向け連携を図っていました。
今回の試験では、荏原が開発した電動ターボポンプをISCが設計・製造するエンジンに搭載した状態で燃焼試験を実施。エンジンシステム全体としての特性を確認したほか、着火までの主要機能が成立することも確認したということです。
両社では今後、高出力試験を行って2028年3月までに地球周回軌道へ人工衛星を投入する技術実証を実現できるレベルに高めていくとしています。
宇宙ロボティクス向けシミュレーション、テストプラットフォームの共同開発に着手 アステリアARTとJAOPS

Credit: アステリア株式会社 プレスリリース
2026年3月4日、ソフトウェア開発を手がけるアステリア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長/CEO:平野洋一郎)の連結子会社、アステリア Artificial Recognition Technology合同会社(東京都渋谷区、CEO:園田智也、以下アステリアART)と、株式会社JAOPS(東京都新宿区、CEO:アレハンドロ・セラ)は、ロボットのシミュレーションおよびテストプラットフォームの共同開発に着手すると発表しました。
アステリアとアステリアARTはロボットアプリケーション向け継続的シミュレーションプラットフォーム「Artefacts(アーテファクツ)」を開発・提供しており、JAOPSは宇宙運用サービスおよび地上セグメントソリューションを提供する宇宙スタートアップです。
近年、宇宙ビジネスが世界的に成長する一方、宇宙ロボティクス分野では地上での実地試験機会の少なさや開発コストの増大、検証の遅延が問題となっています。
こうした状況を受け、両社は宇宙環境での実証や開発プロセスにおける技術的課題の解決に向け、実際のミッション運用に基づいた設計・検証が可能なシミュレーション、テストプラットフォームの構築を進めるということです。
独Mynaric、商用レーザー通信端末で量子鍵配送に成功 双方向QKDを実証
2026年2月26日、レーザー通信端末の開発・製造を手がけるマイナリック(ドイツ・ミュンヘン、創業者兼CTO:Joachim Horwath、以下Mynaric)は、同社の商用レーザー通信端末による量子暗号鍵の送受信に成功したと発表しました(Mynaricによる発表)。
「観測されると状態が変わる」という量子の性質を利用し、盗聴の有無を確認しながら通信に使う暗号鍵を安全に共有する技術である量子鍵配送(QKD)の商用端末による自由空間での実証は、量子セキュア通信の実運用化に向けた重要な一歩です。
今回の試験は、ドイツ連邦研究・技術・宇宙省(BMFTR)が資金を提供し、量子通信技術による安全な通信ネットワークの構築を目指すプロジェクト「QuNET Initiative」の一環として実施されました。
当初は量子鍵の送信のみを目標としていましたが、実証では「CONDOR Mk3」により量子鍵の送受信双方を達成したとのこと。双方向での量子鍵交換に成功したことで、同技術の成熟度と堅牢性が示されたということです。
同プロジェクトでは今後、ドイツ国内のより広範な運用環境下で、複数のコンソーシアムパートナーとともにQKD技術の検証が進められる予定だということです。
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