目次
「みんなのハロ」が宇宙へ スペースエントリーが参加型宇宙開発プロジェクトを始動

2026年4月7日、宇宙ロボット開発等を手がけるスペースエントリー株式会社(茨城県つくば市、代表取締役CEO:熊谷亮一)は、自律型宇宙ロボットを国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟に長期滞在させるミッション「HELLO, HARO」を始動すると発表しました。
ISSに送られるのは、『機動戦士ガンダム』などで知られるメカニックデザイナー・大河原邦男氏がデザインし、スペースエントリーが開発を進める自律型宇宙ロボット「みんなのハロ」。
同社によると、民間企業による自律型ロボットのISS「きぼう」到達・最新OS「ゼファー」を搭載した宇宙ロボット開発・会話可能な自律型ロボット、という3点は世界初の取り組みになるとのこと。
同プロジェクトでは、ISSでの滞在を通し宇宙環境下での自律型ロボットの活用可能性に関するデータの取得を行うということです。
また、このプロジェクトは「誰もが宇宙ミッションに参加できること」をコンセプトしており、4月14日から開始予定のクラウドファンディングを通じて、ロボットの開発・組立・打上げ・宇宙での運用までの各プロセスが体験できます。
クラウドファンディングの詳細は下記から確認できます。
https://camp-fire.jp/projects/934513/view
Fusic、QPS研究所向けに「人工衛星モニタリングダッシュボード」を開発

2026年4月8日、株式会社Fusic(福岡県福岡市、代表取締役社長:納富貞嘉)は、衛星コンステレーションの開発・運用を手がける株式会社QPS研究所(福岡県福岡市、代表取締役社長CEO:大西俊輔)に対し「人工衛星モニタリングダッシュボード」を開発・納品したと発表しました。
QPS研究所では、2030年に36機の衛星コンステレーションを構築することを目標に開発・運用を進めていますが、衛星ごとに確認すべき情報が複数のアプリケーションに分散しており、運用手順の煩雑さや新メンバーの習熟コストという課題が生じていたとのこと。
これに対しFusicが複数の衛星の運用情報を統合的に確認できるモニタリングダッシュボードを開発し、提供したということです。
新たなシステムは「1,000超のパラメーターをリアルタイム高速描画」「大量データを効率的に蓄積するアーカイブ基盤」「個体差や仕様変更を吸収する高拡張な表示設定」を特徴としており、衛星運用の高度化と効率化を実現できるとしています。
衛星コンステレーションが普及しその数が増加するにつれ、多数の衛星を管理するシステムの需要も増していくといえそうです。
大韓航空と仏Exotrail、軌道間輸送機の共同開発で協力
2026年4月3日、大韓航空(韓国・ソウル、会長兼CEO:趙源泰)は、軌道間輸送機(Orbit Transfer Vehicle:OTV)の共同開発のため仏エクソトレイル(フランス・マシー、共同創業者兼CEO:Jean-Luc Maria、以下Exotrail)と協力覚書を締結したと発表しました(大韓航空による発表〔韓国語〕)。
この協力を通じ、両社は地球低軌道(LEO)への衛星輸送、ペイロードのホスティング、複数軌道での衛星展開、衛星寿命の延長・燃料補給といった付加価値の高い宇宙サービス開発で協力していくということです。
大韓航空は、近年の小型衛星コンステレーション打上げ需要増加により、複数の衛星を異なる軌道に投入するOTVの重要性が高まっていると指摘。
同社がミッション制御システムや宇宙システム構造系・制御系の設計技術を保有している中、アジア進出に向けた拠点確保を進めていたExotrailと協力するに至ったとしています。
ニコン開発の生細胞観察装置がISSへ 創薬研究で活用

Credit: 株式会社ニコン ウェブサイト
2026年4月7日、株式会社ニコン(東京都品川区、代表取締役兼社長執行役員CEO:大村泰弘)は、同社とその米国子会社であるNikon Instruments Inc.(NII)が開発した生細胞観察装置が、国際宇宙ステーション(ISS)での研究プロジェクトに採択され、4月9日の補給ミッション「NG-24」で打ち上げられる予定であると発表しました。
今回開発された生細胞観察装置は、生きた細胞の挙動を高精度に観察・評価できるもので、今回のミッションの中で、生細胞や組織の培養・維持・観察に用いる顕微鏡観察システムの基礎的な運用検証が行われるということです。
ニコンは1971年のアポロ15号のミッション以来、カメラ・レンズや顕微鏡を提供してきた実績があり、今回の研究では、ISS実験棟という限られた空間で、細胞の挙動や生体組織の薬剤反応を長期的、かつ視覚的に解析できる装置開発が主眼になっているということです。
ISSでは、同装置と、BioServe Space Technologies(アメリカ・コロラド州)が開発したシステム「NEMO(Nikon Experimentation Microscope in Orbit)」により観察を行い、宇宙空間での細胞の挙動や生体組織の反応を通じて、微小重力が生体に与える影響を高精度に評価・解析するということです。
重力が細胞などの生態組織に与える影響を理解することは、将来の人類の宇宙活動を支えるために重要なテーマであると同時に、老化のメカニズムや病気の原因解明にもつながりうる可能性があります。今後の研究の進展が待たれます。
【編集部よりお知らせ】ニュースのまとめや新着記事をお知らせ!メールマガジン(不定期配信)のご登録はこちらから