三菱重工、H2Aロケット打上げ成功

三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)は2023年1月26日、政府の情報収集衛星「レーダー7号機」を搭載したH2Aロケット46号機の打上げに成功したと発表しました。H2Aロケットは今回で40機連続での打上げ成功となり、成功率は97.8%となりました。なお、H2Aロケット46号機は2023年1月25日に発射する予定でしたが、寒波の影響により1日延期して打上げられました。

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Credit:三菱重工業株式会社

H2Aロケット46号機は同日午前10時50分過ぎに、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打上げられ、約20分後「レーダ7号機」がロケットから正常に分離したことが確認されました。

今回H2Aロケット46号機に搭載された情報収集衛星「レーダー7号機」は、1998年の北朝鮮による「テポドン発射」をきっかけに政府が国の安全保障に関する情報を独自に集めようと導入した、事実上の偵察衛星です。レーダー7号機は耐用年数を迎えたレーダー5号機の後継機という位置付けで、北朝鮮のミサイル発射施設を監視するほか、災害への対応に用いられます。

同日開かれた記者会見で、三菱重工の阿部直彦常務執行役員防衛・宇宙セグメント長は「大きな問題なく、無事打上げられ喜んでいる。同年2月にはH3初号機の打上げが予定される。いま一度心を引き締め細心の注意と最大限の努力をしていきたい」と話しました。

政府は今後、2028年度をめどに情報収集衛星10機を常時運用し、地球上のあらゆる地点を1日に複数回撮影できるように体制を強化することを目指しています。

H2Aロケットは当初、2023年度に退役が予定されていましたが、後継機のH3ロケットの初号機打上げが2023年2月12日に変更された影響で、2024年度の50号機を最後に退役することになっています。

H3ロケットはH2Aロケットよりも重量の大きい衛星を運べるようになるほか、打上げの価格が半額程度に抑えられるうえに、これまで衛星などの注文を受けてから打上げまで2年程度かかっていた時間が1年程度に短縮するということです。