H-IIA44号機打上げ 種子島宇宙センターはどんな場所?

三菱重工業株式会社は2021年10月26日、準天頂衛星初号機「みちびき」の後継機を搭載した44号機を打ち上げます。打上げ時間帯は午前11時19分37秒~11時34分37秒の間、打上げ場所は種子島宇宙センターです。ロケット打上げの際よく耳にする「種子島宇宙センター」とはどのような場所なのでしょうか。今回は、そんな種子島宇宙センターについてご紹介します。

 

1.立地・アクセス

種子島宇宙センターは鹿児島県の南、種子島の東南端の海岸線沿いに位置し、南国特有の青い海、青い空、濃い緑、白い砂浜の魅力があり、「世界一美しいロケット発射場」と呼ばれています。種子島へは空路と海路で向かい、空路は鹿児島空港から種子島空港まで40分、海路では鹿児島港から西之表港まで高速船で1時間半、フェリーで3時間半かかります。種子島の島内での移動は、路線バスの本数が限られているため、レンタカーをおすすめします。

 

2.見どころ

総面積約970万㎡にもなる日本最大のロケット発射場、種子島宇宙センターには多くの見どころがありますが、ここでは特におすすめしたい場所を3か所ご紹介します。

 

①大型ロケット発射場

大型ロケット発射場はロケットの組立てから打上げまで、一連の作業を担う施設です。現在H-IIAロケットが運用されており、2021年度末には新型ロケットH3の打上げが予定されています。特に目を引くのが大型ロケット組立棟(VAB)で、高さは81mもあり、その扉は「世界最大の引き戸」としてギネス世界記録に認定されています。宇宙センター内にある「ロケットの丘」からは、発射場を一望することができます。


左の建物がVAB 右は射点


②ロケットガレージ

ロケットガレージではH-IIロケット7号機の実物やロケット運搬台車(通称ドーリー)に使われる巨大なタイヤなど、ロケットに関連する部品が数多く展示されています。直径4mにもなるロケット本体や複雑な構造をしたロケットエンジンが手で触れられそうな距離に設置されており、実物ならではの迫力を感じることができます。


ロケットガレージ内のH-IIロケット7号機


③宇宙科学技術館

宇宙科学技術館は日本初の本格的な宇宙開発展示館として1979年にオープンした施設で、宇宙開発に関する様々な事物が展示されています。屋外には種子島宇宙センター初の人工衛星打上げロケット「N-I」の模型が起立状態で展示されており、往時の宇宙開発を偲ぶことができます。館内には人工衛星やロケットエンジン、ロケット打上げの大音量を再現したシアター、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の実物大模型などが設置されています。特に「きぼう」模型内には撮影スポットがあり、無重力状態で浮かんでいるかのような写真を撮ることができます。


宇宙科学技術館全景 右はN-Iロケット模型



今回は、ロケット打上げの際よく耳にする「種子島宇宙センター」についてご紹介しました。打上げのニュースを見た際には、美しい風景と様々な施設にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

SPACEMedia編集部