• HOME
  • ニュース
  • 有人宇宙システム、将来の地球低軌道でのクラウドサービス活用に向け、AWSと協力合意書締結 - SPACE Media

有人宇宙システム、将来の地球低軌道でのクラウドサービス活用に向け、AWSと協力合意書締結

Credit: 有人宇宙システム株式会社 プレスリリース

2024年7月31日、有人宇宙システム株式会社(東京都千代田区、代表取締役 有賀輝)は、クラウドサービスを展開するアマゾン ウェブ サービス(AWS)と、クラウドサービスを活用した地球低軌道(Low Earth Orbit:LEO)市場でのソリューション提供に向けて協力合意書を締結したと発表した。

有人宇宙システムは1990年設立。国際宇宙ステーション(ISS)にある日本の実験棟「きぼう」の運用・利用支援や宇宙飛行士・管制要員の訓練等を手がけている。

ISSの中で最大の実験モジュールである「きぼう」では、現在、多種多様な宇宙実験が行われており、実験で得られたデータは、地上へと伝送され、ユーザーの目的に応じて活用されている。

2030年に予定されているISSの退役を見据えて、徐々に民間進出が進む今、LEOは民間企業が宇宙ビジネスに取り組む主戦場になると目されている。

そうした背景から、同社では今後データ伝送に関するユーザーの多様なニーズに応じたサービスを提供することがLEO市場の拡大に重要だと判断。軌道上で保存されたデータをスケジュールに従って自動で地上に送る「自律的ファイルダンプシステム(JAMSS Automated File Dump Innovation System:JAFDIS)」を開発し、2023年に最初の軌道上技術実証をAWSのエッジコンピューティング・データストレージ「AWS Snowcone」にて実施している。

今回締結された合意書では、有人宇宙システムが培ってきた技術と経験を出発点に、AWSのクラウドサービスを介して、誰もが気軽に「宇宙利用」できるソリューションサービスの提供を目指すとともに、今後は同社が運営する宇宙利用サポートメディア「ASMILLA(アスミラ)」を発展させ、データ配信サービスを含むWebポータルプラットフォームを構築していくとしている。

商業宇宙ステーション時代に向けた「データ配信サービス」の構想
Credit: 有人宇宙システム株式会社 プレスリリース

現在、ISS退役後の「ポストISS」に向けて複数の民間宇宙ステーション構想が動いている(参考記事1参考記事2)。宇宙利用の場が増えれば、その分地上とデータをやりとりするニーズも増えることになり、今回の両社の協力合意はそうした将来像に基づいたものだといえる。

あわせて読みたい