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有人宇宙システム、ISS内のニオイデータ取得の技術実証を実施―ニオイを見える化へ

国際宇宙ステーション(ISS)の運用・利用支援を中心とした事業を展開する有人宇宙システム株式会社(以下JAMSS)は2023年6月9日、ISS内のニオイデータ取得の技術実証実験を実施したと発表した。

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ニオイデータ取得の技術実証に活用された「ニオイセンサ」(左:設置型 右:携帯型)
Credit: NASA/Axiom Space

2022年に続く2度目のQOLミッションは「におい」がターゲット

ISSには2000年から宇宙飛行士が常駐し生活と作業を続けているが、閉鎖環境であるため、さまざまなニオイ(臭い・匂い)が存在している。
従来からガスセンサによる有毒ガスの検出・除去は積極的に行われてきたが、その効果を測定する手段はなく、定期的にサンプルを採取し地球に持ち帰って分析が行われていた。

今回はこれに続く2度目のQOLミッションであり、国内初のISSのニオイデータを取得する技術実証となる。

参考リリース

JAMSS×理科大×農工大 初の民間宇宙飛行士ミッションにて”国内初”実証試験

ニオイデータを解析して特定、宇宙滞在のQOL向上を目指す

今回の技術実証で活用されたのは、アロマビット社製QCM(水晶振動子)型ニオイセンサをJAMSSが宇宙搭載化した軌道上実証用ニオイセンサ。

同ニオイセンサは水晶振動子(QCM)型と呼ばれるもので、ニオイ分子が膜表面に吸脱着して起こる質量変化を、水晶振動子の共振周波数の変化として検知する。
膜ごとの周波数変化値を計測し、数値データへと変換することで、これまで人の感覚でしか判断できなかったあらゆるニオイを、デジタルデータ化できるという。
JAMSSは、ISSにおけるニオイの見える化を目指しており、回収したニオイデータを解析し、地上で類似するニオイを特定する予定だ。

今後宇宙開発の市場が拡大し商業宇宙ステーションの時代が到来する頃には、より快適な住環境が求められ、ニオイの処理もQOLを維持する上で重要となる。
同社はISS内のニオイを見える化することで、宇宙旅行者のQOL向上を目指すとしている。

なお、今回の技術実証は、2023年5月21日に打上げられた米Axiom Space社の民間宇宙飛行士ミッション「Ax-2」にて実施された。