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1/9宇宙ニュース・衛星用推進機開発のPale Blue、世界初の実証に向け、イタリアの宇宙企業と契約 ほか3件

衛星用推進機開発のPale Blue、世界初の実証に向け、イタリアの宇宙企業と契約

Credit: 株式会社Pale Blue ウェブサイト

2025年1月8日、小型衛星向け推進機(エンジン)の開発を進める宇宙スタートアップの株式会社Pale Blue(千葉県柏市、代表取締役 浅川純、参考記事)は、世界初となる1U+水イオンエンジン(PBI)の宇宙実証のため、衛星の軌道投入サービスを手かけるイタリアのD-Orbit(イタリア・ミラノ、創業者 兼 CEO Luca Rossettini)と契約したと発表した。

D-Orbitの小型衛星ION Satellite Carrierに水イオンエンジンを搭載し、2025年に2回打上げ、実証を行う。

同社のイオンエンジンは水を推進剤として使うことで、安全性・取り扱い性・調達性などに優れているほか、コンパクト設計で複数個付けによるクラスタ化が可能。より幅広い衛星のミッションに対応することができるという。

Pale Blueは、宇宙での実績を積み、イオンエンジンをラインナップに加えることで、小型衛星ミッションで需要が高まっている軌道修正やスペースデブリ削減のニーズに応えていきたいとしている。

ispace、ミッション2の打ち上げ予定日が1月15日に決定したことを発表

カウントダウン・クロック(中央)の前で撮影に応じる株式会社ispace 代表取締役CEO&Founderの袴田武史氏(左)と、シチズン時計株式会社 事業企画センター宣伝部部長の田中繁氏(右)
Credit: 株式会社ispace プレスリリース

2025年1月9日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役 袴田武史)は、月面着陸を目指す2回目のミッション「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」(以下ミッション2)の打上げ予定日が、日本時間の1月15日(水)午後3時11分になったと発表した。

同日に行われた記者会見では、ispaceのコーポレートパートナーであるシチズン時計株式会社のグループ会社、シチズンTIC株式会社のカウントダウンビジョンCDV-100を活用した、ミッション2のカウントダウン・クロックが初お披露目された。このクロックには打ち上げまでの詳細な時間が表示され、打ち上げ後は着陸までのカウントダウンに切り替わる。

今回のミッションで打ち上げられる月着陸船(ランダー)・RESILIENCEには、下記6つのペイロードが搭載され、月面に輸送される。

  • HAKUTO-Rのコーポレートパートナーである高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置
  • 株式会社ユーグレナの月面環境での食料生産実験を目指した自己完結型モジュール
  • 台湾の国立中央大学宇宙科学工学科が開発する深宇宙放射線プローブ
  • 株式会社バンダイナムコ研究所の「GOI宇宙世紀憲章プレート」
  • ispaceの欧州法人ispace EUROPEが開発したマイクロローバー「TENACIOUS」
  • スウェーデンのアーティストによるムーンハウスと呼ばれる赤い小さな家

宇宙での物理現象をデジタルで再現する技術の共創に向け提携 スペースデータとギャラクシーズ

Credit: 株式会社スペースデータ プレスリリース

2025年1月9日、株式会社スペースデータ(東京都渋谷区、代表取締役社長 佐藤航陽)は、株式会社ギャラクシーズ(東京都豊島区、代表取締役 内山泰伸)と、宇宙の物理現象をデジタル上に再現する技術の共同開発と社会実装にかかわる共同研究契約を締結したと発表した。

スペースデータでは、ISSの3Dモデルや実際のISS船内の環境をデジタル上に再現した「バーチャル国際宇宙ステーション(ISS)」を開発しており、月や火星などの多様な物理環境をもつ天体をデジタル空間上に再現する「太陽系デジタルツイン」の開発も目指している。

今回の提携を通じ、ギャラクシーズが保有する物理シミュレーション技術を「バーチャルISS」「太陽系デジタルツイン」内で新たに提供することで、これまで専門家のみがアクセスできた「宇宙物理の知」を民主化したいとしている。

提携の対象例としては、下記のような活用を想定しているという。

  1. 微小重力下での流体・剛体相互作用シミュレーション技術
  2. 宇宙放射線のシミュレーション技術
  3. AIを活用した物理シミュレーション

高精度なシミュレーションが可能になれば、実際に宇宙に行くことなく実証や実験ができる可能性が高まり、宇宙ビジネスや宇宙利用がいっそう進むことになりそうだ。

インド初のロボットアーム、宇宙での稼働を確認 SpaDexミッション

Credit: インド宇宙研究機関(ISRO)公式X

2025年1月4日、インド宇宙研究機関(ISRO)は、同機関が2024年12月30日に打ち上げたロケット・PSLV-CAの第4段「PSLV Orbital Experimental Module-4(POEM 4)」に搭載されたインド初のロボットアーム「Relocatable Robotic Manipulator-Technology Demonstrator(RRM-TD)」の稼働に成功したと発表した。

同機関が公式X(旧twitter)に投稿したポストでは、宇宙空間でロボットアームが稼働する動画を見ることができる。同ロボットアームはISROが開発したもの。

PSLV-CAロケットは、2機の衛星「SDX01」と「SDX02」のランデブー・ドッキング・ドッキング解除の技術実証ミッション「Space Docking Experiment(SpaDex)」のため打ち上げられたが、その第4段で科学実験プラットフォームとして機能するPOEM 4には微小重力環境での研究・実証用のペイロードが複数搭載されており、インドの民間宇宙企業や大学等が開発したものも含まれている。

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