2023年12月20日、東京計器株式会社(東京都大田区、代表取締役 社長執行役員 安藤毅)は、宇宙ベンチャーの株式会社Pale Blue(代表取締役 浅川純)と、Pale Blueが開発する小型衛星用水推進機の量産試作機製造組立における協業を開始したと発表した。
Pale Blueは、安全で無毒な「水」を推進剤とした小型衛星用推進機の開発を行う、2020年創業の東京大学発の宇宙ベンチャー。
東京計器は、船舶港湾、産業機械、建設機械、上下水道、防衛、鉄道など幅広い領域に向けた計器・システム提供を手がけており、2030年に向けた長期ビジョン「東京計器ビジョン2030」では宇宙事業を成長ドライバーの一つとして掲げいる。
東京計器では、今年、同社那須工場内に衛星機器の組立や試験を行う宇宙棟を竣工。宇宙事業の拡大を図っており、2022年にはSAR衛星開発を行う株式会社Synspectiveが量産工場のパートナーに同社を選定している。
一方のPale Blueは、2023年9月にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の DTSU事業(ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業)DMPフェーズ(量産化実証)の実施先として採択されている。
水を推進剤とする人工衛星用推進機の量産技術の確立に向けた研究開発において、今後の事業拡大のためには低価格かつ短納期、安定した品質で量産可能な生産能力が必要となることから、Pale Blueは協業先を探しており、その中で東京計器の宇宙用機器やコンポーネントの製造実績および生産能力を評価、協業開始に至ったという。
両社は今後、推進機の量産技術確立に向けた研究開発における推進機の量産試作機の製造組立を共同で実施。量産技術の確立に向けて、製造や組立手順に基づき複数台の量産試作機を製造し、コストや製造期間、品質の評価を実施する予定。