• HOME
  • ニュース
  • 6/19宇宙ニュース・化学メーカーのレゾナック、ISSで宇宙向け半導体材料の評価実施へ ほか3件 - SPACE Media

6/19宇宙ニュース・化学メーカーのレゾナック、ISSで宇宙向け半導体材料の評価実施へ ほか3件

化学メーカーのレゾナック、今秋にISSで宇宙向け半導体材料の評価実施へ

動作評価装置が取り付けられた材料曝露実験装置
Credit: 株式会社レゾナック プレスリリース

2025年6月19日、半導体材料等を扱う機能性化学メーカーの株式会社レゾナック(東京都港区、代表取締役社長:髙橋秀仁)は、今秋をめどに、同社が開発している、宇宙線に起因する電子機器の誤動作(ソフトエラー)を低減する「半導体封止材」の評価実験を国際宇宙ステーション(ISS)で開始すると発表しました。

封止材とは、半導体を熱などの外部要因から保護するための材料で、レゾナックでは、ソフトエラーの原因となる宇宙線中の中性子を吸収する材料を配合した半導体封止材を試作、実験でソフトエラーの低減効果を確認したいとしています。

地球低軌道(LEO)領域を中心に人工衛星の需要は増加を続けていますが、同社によると、衛星に搭載される半導体は安定性を重視するため演算能力が低い傾向にあり、演算能力向上のうえでは宇宙線に起因するソフトエラーが課題になっているといいます。

同社の封止材によるソフトエラー低減効果が確認されれば、既存の宇宙向け半導体の性能向上や、地上で使われている半導体の宇宙向けへの適用などが期待されるということです。

同社の評価用半導体チップを搭載した動作評価装置が載せられた材料曝露実験装置(MISSE)は今年秋に打上げられ、ISSでの評価が開始される予定だということです。

なお、同実験はアメリカの民間宇宙企業Axiom Space(アクシオム・スペース)に委託されているとのことです。

社会インフラに影響を与える「宇宙天気」、新たな通報システム・ガイドラインが公開 NICT

現在の通報と新たに追加された宇宙天気イベント通報、および宇宙天気情報利用ガイドラインのイメージ
Credit: NICT プレスリリース

2025年6月19日、情報通信研究機構(東京都小金井市、理事長:徳田英幸、以下NICT)は、太陽表面の爆発現象である太陽フレアなどによって生じる宇宙天気現象を提供する「宇宙天気イベント通報(Space weather Alert For social Impacts and Risks:SAFIR、セイファー)」を開始するとともに、「宇宙天気情報利用ガイドライン」「宇宙天気情報利用の手引き」を作成したと発表しました。

これらの取り組みは2022年に総務省の主催で行われた「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会」を受けたもの。

NICTでは1988年から、ウェブサイトやメール等で宇宙天気の概況や24時間の予報、太陽フレアなど宇宙天気現象の発生(宇宙天気イベント)に関する情報の配信を行っていますが、提供される宇宙天気情報と社会的影響の紐づけが不明瞭なこと、また情報の利用に関するガイドラインも整備されていなかったことから、前述の検討会での提言された新しい警報基準などをふまえて通報システムの実装やガイドラインの策定を行い、今回の公表に至ったとのことです。

通信・放送、宇宙システム運用、航空機運航といったさまざまな分野に宇宙が関連するようになった今、宇宙天気現象の把握は多くの産業領域で役立てられることになりそうです。

スペースデータ、ISS「きぼう」のデータを用いたデジタルツインの比較実証に成功

実機とデジタルでの動作を比較した動画
Credit: SpaceData YouYube

2025年6月19日、株式会社スペースデータ(東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで取得した国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で活動する船内ドローン「Int-Ball2」の動作データを用いてデジタルツインとの動作比較実証を実施し、第1回目の実証が成功したと発表しました。

スペースデータでは、かねてからデジタル空間上でISSや月面を構築する「宇宙デジタルツイン」の開発を進めています(参考記事)。

今回の実証は「きぼう」の有償利用制度を活用したもので、「Int-Ball2」実機の動作データを取得し、同社が開発するデジタルツイン上で同じ動作を再現するという内容。

デジタルツイン上で動作を再現できるようになることで、実際のISSではカメラや視野の制限により死角になってしまう箇所も、デジタルツイン上でさまざまな角度から自由に観察・確認できるようになるということです。

今後も10月までさまざまな動作パターンでの比較実証を予定しているとのことで、実証の進展が期待されます。

米Portal Space Systems、宇宙機製造施設の開設を発表

2025年6月17日、宇宙機開発を手がける米国のPortal Space Systems(アメリカ・ワシントン州、CEO兼CTO:Jeff Thornburg)は、現在フランス・パリで開催中の「パリ航空ショー」の中で、同社初となる宇宙機製造施設を開設すると発表しました(Portal Space Systemsによる発表)。

この施設は同社の本社が所在するワシントン州にあり、広さ50,000平方フィート(約4,600平方メートル)、製造・組立・統合・試験・研究開発・先進エンジニアリングといった、宇宙機製造に必要な機能が集約されているということです。

同施設の稼働は来年後半から開始され、再使用可能な高機動宇宙機「Supernova(スーパーノヴァ)」とそのサブシステムの製造を行う予定とされています。同社では、2027年までに月1機のペースでSupernovaを製造できるよう、生産能力を増強していくとしています。

Portal Space Systemsでは、この新施設は今後2~3年でエンジニアリング、サプライチェーン、物流、事業運営など100人以上の新規雇用を創出し、地域経済に貢献するとしています。

【編集部よりお知らせ】ニュースのまとめや新着記事をお知らせ!メールマガジン(不定期配信)のご登録はこちらから

あわせて読みたい

【PR】イベント企画・運営、動画の企画制作、デザイン制作、記事制作のご相談はIPP by DigitalBlast Consultingへ!
詳しくはこちら>>> https://digitalblast-c-ipp.jp/

宇宙業界の求人