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ホンダが「再使用型ロケット」実験機の離着陸実験に成功
2025年6月17日、本田技研工業株式会社（東京都港区、取締役代表執行役社長：三部敏宏）の研究開発子会社である株式会社本田技術研究所（埼玉県和光市、代表取締役社長：大津啓司）は、自社開発の再使用型ロケットの実験機を用いて、同社初となる高度約300メートルまでの離着陸実験に成功したと発表しました。
実験機は全長6.3メートル、直径85センチメートルで、今回の実験では、ロケットの再使用に必要な要素技術である上昇・下降時の機体の安定性や着陸機能などの実証が目的とされました。
実験は6月17日16時15分に、北海道広尾郡大樹町にあるHonda専用実験設備で実施され、目標としていた機体の離着陸挙動の作動（到達高度 271.4メートル、着地位置の目標との誤差 37センチメートル、飛行時間56.6秒）、上昇・下降時のデータ取得ができ、実験は成功したとのことです。
同社公式Xでは、ロケット実験機の上昇から着陸までの動画も公開されています。
先月開催された宇宙政策委員会では、城内実・内閣府特命担当大臣が「宇宙分野は、自動車産業に次いでわが国の基幹産業となりうる大変重要な分野」と述べていますが（参考記事）、自動車業界大手が宇宙輸送等の領域で存在感を増すことで、業界全体が活気づくことが期待されます。
Space BD、人工衛星の海外輸出をサポートするワンストップサービスを開始
2025年6月18日、Space BD株式会社（東京都中央区、代表取締役社長：永崎将利）は、人工衛星の輸出に係る包括輸出許可ライセンスを取得したことに伴い、同社が昨年10月から提供している「人工衛星の航空輸送に係る申請代行サービス」を拡張し、「人工衛星の輸送ワンストップサービス」を開始すると発表しました。
同サービスは、航空輸送における危険物に関する関係当局へのサポート・海外への人工衛星輸送に必要な関係当局への手続きまで一括で対応するもの。
近年、地球低軌道（LEO）領域での衛星コンステレーションの増加などにより衛星の打上げ需要は増加していますが、日本国内の打上げ機会は少なく、ほとんどの衛星事業者が海外で衛星を打上げています。
こうしたサービスにより衛星打上げのハードルが下がれば、衛星ビジネス自体に対するハードルも下がることになりそうです。
ESAとレオナルド、共同研究契約を締結 衛星ナビシステムへの妨害に機械学習で対応
2025年6月16日、欧州宇宙機関（ESA）は、イタリアの航空宇宙・防衛大手Leonardo S.p.A.（イタリア・ローマ、CEO：Roberto Cingolani、以下レオナルド）と、衛星ナビゲーションに対する妨害電波やスプーフィング（偽の信号）の脅威に対応するため、不要な信号を遮断する「スマートアンテナ」を操作する機械学習技術に関する共同研究契約を締結したと発表しました（EASによる発表）。
ESAによると、従来のアンテナはあらゆる方向からの信号を受信しますが、受信パターン制御アンテナと呼ばれるアンテナは、特定の衛星からの信号にフォーカスし、他の方向からの信号や干渉を無視することができるため、妨害電波や偽の信号を遮断できるとのこと。
今回のプロジェクトでは、信号遮断のためのアルゴリズムの特定、アルゴリズムに基づくリアルタイム受信機の実証機の構築と試験、従来の大型アンテナとの比較を行うとのことで、2年間かけて技術成熟度レベル（TRL）4へ到達、実験室での試験済みの技術を提供することを目指しているということです。
NASAとドイツ航空宇宙センター、アルテミス計画での協力を継続 アルテミスⅡで新型放射線センサーを搭載
2025年6月17日、アメリカ航空宇宙局（NASA）は、フランスのパリで開催されているパリ航空ショーの会場で16日、NASA長官代行のジャネット・ペトロ（Janet Petro）氏とドイツ航空宇宙センター（DLR）理事長のアンケ・カイザー＝ピッザーラ（Anke Kaysser-Pyzalla）氏が宇宙医学研究におけるパートナーシップを継続するための協定に署名したと発表しました（NASAによる発表）。
この契約に基づき、DLRは有人宇宙飛行の知見を活用し、NASAのアルテミスⅡミッションで飛行するオリオン宇宙船に新型放射線センサーを搭載し、宇宙飛行士の安全確保に必要なデータを収集するとのこと。
トランプ政権への移行後、アルテミス計画の継続は不透明な状況であると報じられていますが、NASAは今回の発表で「DLRとの継続的なパートナーシップと、同センターの機器をアルテミスⅡに搭載することは、トランプ＝ヴァンス政権が探査とイノベーションの黄金時代を牽引し、月、火星、そしてさらにその先へ米国の宇宙飛行士を導くことを示している」としています。
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