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3/30宇宙ニュース・古川聡宇宙飛行士がJAXAを「卒業」 杏林大学医学部特任教授に就任 ほか3件

古川聡宇宙飛行士がJAXAを「卒業」 杏林大学医学部特任教授に就任

Credit: JAXA公式YouTubeチャンネルより

2026年3月30日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、今月25日に、31日付で同機関を退職することが発表された宇宙飛行士の古川聡氏の記者会見を実施しました。

古川氏は1964年神奈川県生まれ。1989年に東京大学医学部医学科を卒業し、2000年に同大にて博士(医学)を取得。東京大学医学部附属病院での勤務を経て、1999年2月に日本人宇宙飛行士の候補に選定されました。

2011年に第28次/第29次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に初めて滞在した後、2023年にも第69次/第70次長期滞在クルーとしてISSに滞在。合計の宇宙滞在時間は366日8時間34分となっています。

会見の冒頭で2回の宇宙飛行を振り返った古川氏は、特に2回目の宇宙飛行の後、自らの首や背骨・股関節が非常に硬くなり、宇宙空間は「老化促進モデル」であることを再認識したと述懐。一方で、地球帰還後のリハビリテーションプログラムによって、半年後には飛行前と変わらない状態に戻れたことから、人間の適応能力の高さに感心したとも語りました。

そして、JAXA退職後のキャリアについても言及。今年4月から杏林大学医学部特任教授に就任することを明らかにしました。新たな仲間とともに、人材育成を中心とする取り組みに挑戦していくということです。

古川氏は会見で今回のキャリアチェンジを『退職』ではなく『卒業』と表現しました。ここには、JAXAでの経験や、これまでともに歩んできたJAXAの先輩・同僚を大切にしながら、次のステージに挑戦していく、という思いを込めたということです。

教育・人材育成という新しいフィールドに活躍の場を移す古川氏。今後の活動にも注目です。

報道陣との質疑応答を含めた会見の全体はJAXAの公式YouTubeチャンネルで見ることができます。

Credit: JAXA|宇宙航空研究開発機構 YouTube

ispaceが事業戦略を更新、ミッション予定の変更とともに月・シスルナ空間での通信サービスを発表

ランダーの新モデル「ULTRA」のイメージ画像
Credit: 株式会社ispace プレスリリース

2026年3月27日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史)は記者会見を行い、昨年6月に実施されたミッション2失敗(参考記事)後に設置された「改善タスクフォース」による検討結果を公表するとともに、事業戦略に関するアップデートを発表しました。

改善タスクフォースは、マサチューセッツ工科大学(MIT)アポロ計画記念教授のオリヴィエ L. デ・ヴェック氏と、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の神武直彦氏が共同議長を務め、ispaceによる技術要因分析内容の妥当性の確認を中心に、第三者の視点から、事故やトラブルの際の分析手法であるCASTを用いて社内検討で見落としている点がないかを検討。

運用レベルでは「1. 地形相対航法の導入」「2. 着陸運用時の残燃料の活用」、システム開発レベルでは「3. ベンダー選定プロセスの改善」「4. 試験に割り当てるプロジェクト・リソースの増強」「5. 故障検出・隔離・回復の設計と検証」、経営判断レベルでは「6. ispaceとドレイパー社間の連携の改善」「7. 企業のリスク管理アプローチ強化」という7つの提言を行いました。

ispaceでは7つの提言を受け、具体的な改善策として、宇宙戦略基金事業(第二期)「月極域における高精度着陸技術」として採択を通じたJAXA/SLIMの知見の活用と地形相対航法の搭載、Flight Operation部門のTest and Flight Operation部門への拡張、「技術リスク評価委員会(仮称)」の新設などを挙げました。

続いて、記者会見の第二部として事業戦略のアップデートが報告され、日米でそれぞれ開発を進めていた着陸機(ランダー)のモデルを統合し、新たなモデル「ウルトラ(ULTRA)」とすることが発表されました。

こうした変更に伴い、これまでのミッション予定にも一部変更が生じました。日本で開発が進められているミッション4は「新ミッション3」に、前述の宇宙戦略基金採択を受けて開発が進んでいるミッション6は「新ミッション4」にミッション名称が変更。一方で、前者は2028年、後者は2029年の打上げということで、打上げ目標は従来通りとなります。

一方で、Team Draperの一員としてアメリカ航空宇宙局(NASA)のCLPSタスクオーダーCP-12に採択され、米国で開発が進んでいたミッション3は、「新ミッション5」として、2030年の打上げを目指すということです。

また、今後順次投入する予定の月周回衛星等を活用した月面やシスルナ空間(地球から月までの領域)向けの通信・測位のサービス「ルナ・コネクトサービス」の立ち上げ構想も明らかにしました。

ルナ・コネクトサービスとデータサービスのイメージ画像
Credit: 株式会社ispace プレスリリース

記者会見の模様は同社のYouTubeで見ることができます。

米Portal Space Systems、デブリ除去事業開始に向け豪Paladin Spaceと提携

Credit: Portal Space Systems ウェブサイト

2026年3月19日、米ポータル・スペース・システムズ(アメリカ・ワシントン州、CEO兼CTO:Jeff Thornburg、以下Portal Space Systems)は、地球低軌道(LEO)での大規模なデブリ除去サービス開始に向けた、Paladin Space(オーストラリア・南オーストラリア州、創業者兼CEO:Harrison Box)とのパートナーシップを発表しました(Portal Space Systemsによる発表)。

Portal Space Systemsでは、高い機動性を有する軌道間輸送機「スターバースト(Starburst)」の開発を進めていますが(参考記事)、この「スターバースト」をプラットフォームとして機能させ、Paladin Spaceが開発する複数のデブリ除去が可能なペイロード「トリトン(Triton)」が、1メートル以下のデブリを画像として捉えて分類した後、捕捉する構想だということです。

両社は2027年の同サービスの展開を目指しており、また、スターラブ・スペース(Starlab Space)が、同サービスを同社が開発する民間宇宙ステーションへの統合に向けた意向表明書を締結したということです。

米Rocket Lab、ESAの実証衛星の打上げに成功 既存の衛星航法を補完

Credit: Rocket Lab プレスリリース

2026年3月28日、ロケット・ラボ(アメリカ・カリフォルニア州、創業者兼CEO:Sir Peter Beck、以下Rocket Lab)は、ニュージーランド・マヒア半島にある同社の射場から、欧州宇宙機関(ESA)の実証衛星「セレステ(Celeste)」2機の打上げを実施し、打上げは成功しました(Rocket Labによる発表)。

「セレステ」は、地球中軌道(MEO)を周回する欧州の衛星測位システム「ガリレオ(Galileo)」を補完する地球低軌道(LEO)での衛星コンステレーションを実証するミッション。2027年にも打上げを行い、11機体制を目指すとされています。

なお、今回の打上げは同社とって今年6回目で、通算としては85回目。同社ではこれまでにアメリカ航空宇宙局(NASA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、韓国宇宙航空庁(KASA)を顧客とした打上げを成功させており、ESA衛星の打上げ成功もこれに続くものとなりました。

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