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6/6宇宙ニュース・ispaceのランダー、月面着陸ならず 測距システムにトラブルか ほか3件

ispaceのランダー、月面着陸ならず 測距システムにトラブルか

厳しい表情で報道陣からの質疑に応じるispace CEOの袴田氏
Credit: HAKUTO-Rチャンネル YouTube

2025年6月6日未明、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史)の月着陸船(ランダー)「レジリエンス(RESILIENCE)」は月面への着陸を試みましたが、着陸に向けたエンジンの減速後にテレメトリが失われて着陸予定時刻の午前4時17分(日本時間)になっても着陸を示すデータの受信に至らず、午前8時時点でもランダーとの通信の回復が見込まれなかったため、同社はミッション2の終了を判断したと発表しました。

ispaceによると、月面との距離を測距するレーザーレンジファインダーでの有効な計測値の取得が遅れたこと、また、着陸に必要な速度まで減速できていなかったことが現時点で確認されているとのことで、これらの状況から、ランダーは月面にハードランディング(衝突)した可能性が高いとしています。

ispaceは今回の着陸で、民間企業として日本初、アジア初の月面着陸を目指していましたが、叶いませんでした。

都内で行われた記者会見では、2回目の挑戦でも着陸に至らなかったことに対し、CEOの袴田氏は「失敗」と話し、「重く受け止める」とコメント。米国のインテュイティブ・マシーンズ、ファイアフライ・エアロスペースが月面着陸を成功させている中で、自社としても今回の着陸を成功させたかったと語りました。

ispaceの次のミッションは2027年に予定されており、少し間が空きますが、この期間にミッション2の経験を活かし対策を打ちたいとしました。また、月面着陸を成功させている前述の2社に続き、ブルーオリジンも月面着陸を目指している状況をふまえ、迅速なキャッチアップを進めたいとも語りました。

なお、2023年4月のミッション1でも同様にマイルストーンSuccess9の段階で測距系のトラブルが起きており(参考記事)、今後の原因究明が待たれます。

北大発スタートアップLetaraが資金調達を実施 26年の宇宙実証に向け研究開発を加速

Credit: Letara株式会社 プレスリリース

2025年6月6日、北海道大学発の宇宙スタートアップLetara株式会社(北海道札幌市、代表取締役:平井翔大/ケンプス・ランドン・トマス)は、Frontier Innovations株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:西村竜彦)が運営する「Frontier Innovations 1号投資事業有限責任組合」を引受先とする資金調達を実施したと発表しました。

シードラウンドにおける資金調達額は合計8億円となり、これまでの累計調達総額は18億円に到達。今回の出資は2026年の宇宙実証試験に向けた研究開発の加速、同社技術の社会実装の早期の実現に向けて生かされるとのことです。

同社は固体プラスチックを燃料とするハイブリッド化学推進系を開発しており、同技術は素早い軌道間移動や軌道上での精密な操作、高い安全性とコスト削減が見込めることから、近年増加しているライドシェア(相乗り)で打ち上げられる人工衛星の需要に応えることができるとしています。

なお、Letaraには人工衛星ビジネスへの取り組みを進めている全日空商事も出資を行っています(参考記事)。

アークエッジ・スペース、ノルウェーのKSATと超小型衛星事業での相互協力に関する覚書締結

Credit: 株式会社アークエッジ・スペース プレスリリース

2025年6月5日、株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役 CEO:福代孝良、参考記事)は、世界各国に衛星管制用地上局のネットワークをもつKongsberg Satellite Services AS(ノルウェー・トロムソ、CEO:Rolf Skatteboe、以下KSAT)と、超小型衛星事業における包括的な協力関係の構築に向けた基本合意書(MoU)を締結したと発表しました。

この協定を通じ、超小型衛星コンステレーションの商用サービスのグローバル展開に必要となる事業基盤の構築を加速するとしています。具体的な連携項目は下記のとおりです。

  • 地上局・運用連携:アジア地域以外も含めたグローバルな地上局の共同利用・設置、衛星運用サービスにおける協業可能性の検討
  • 衛星関連技術・データ連携:双方が有する衛星バス・ペイロード技術やミッションデータ共有等における連携関係構築可能性の検討
  • 日ノルウェー間協力:衛星データ、科学ミッションなどに関する日ノルウェー間での協業機会の探索

韓国INNOSPACE、小型衛星向け打上げサービス拡大に向け、独Exolaunchと戦略的パートナーシップ協定を締結

2025年6月4日、韓国の民間宇宙企業INNOSPACE Co. Ltd.(韓国世宗市、代表取締役:キム・スジョン、以下INNOSPACE)は、同社が開発する軌道打上げロケット「ハンビット(HANBIT)」による共同ミッションの遂行と顧客獲得に向け、ドイツのエグゾローンチ(ドイツ・ベルリン、CEO:Robert Sproles、以下Exolaunch)と戦略的パートナーシップ協定(SPA)を締結したことを発表しました(INNOSPACEによる発表〔韓国語〕、Exolaunchによる発表)。

この提携を通じて両社はペイロード搭載計画の策定や打上げミッションの管理、ペイロードの統合などで協力するほか、打上げサービスの受注拡大に向けたプロモーション活動、打上げミッションの企画、現場支援など、技術・事業面での協力を段階的に拡大していくとのことです。

Exolaunchは、実証済みの衛星分離システムと、複数の衛星を搭載・分離し、ミッションの柔軟性を高めることを目的に開発中の衛星分離プラットフォーム「Exotube」をハンビットに活用する予定です。

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