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アストロスケール英国、デブリ除去衛星の詳細設計審査を完了 2026年に打上げ・実証

2025年6月4日、株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼CEO:岡田光信)は、同社の英国子会社Astroscale Ltd.(以下アストロスケール英国)が、軌道上で運用を終了した複数の人工衛星を除去する「ELSA-M(End-of-Life Services by Astroscale–Multiple)」の開発において、機体の詳細設計審査(Critical Design Review:CDR)が完了したと発表しました(参考記事)。
詳細設計審査は、人工衛星の開発において実際に打ち上げるフライトモデルの製作・試験フェーズに移る前のステップで、ELSA-Mは2026年の打上げが予定されています。
アストロスケールでは磁力を利用しドッキングプレートをもつ衛星を引き寄せて衛星などの宇宙機を捕獲する技術を開発しており、ELSA-Mは軌道上の実証でフランスの大手通信企業・Eutelsatが運用するEutelsat OneWeb衛星とのドッキングや軌道離脱等を試みる予定です。
米Impulse Space、宇宙輸送事業の加速に向け約430億円調達
2025年6月3日、米国の宇宙輸送スタートアップImpulse Space(アメリカ・カリフォルニア州、創業者兼CEO:Tom Mueller)は、シリーズC資金調達ラウンドで3億ドル(約430億円)を調達したと発表しました(Impulse Spaceによる発表)。
今回の調達は、増大する宇宙輸送ニーズに応えるための生産能力と技術力の拡大に向けた「先制的資金調達」で、同社は、累計の調達額は5億2,500万ドルに達し、宇宙産業で最大級のベンチャー投資案件の一つとなったとしています。
Impulse Spaceは2021年創業。創業者兼CEOのMueller氏はロケットエンジニアでSpaceX創設時のメンバーです。同社は高推力・高機動性の宇宙機「Mira」での2度の顧客ミッションを成功させており、30件以上の民間・政府契約を獲得しています。
米Redwire、がん治療薬候補物質の宇宙実験で米製薬ベンチャーAsperaと契約
宇宙インフラなどの開発を手がける米レッドワイヤー(アメリカ・フロリダ州、CEO:Peter Cannito、以下Redwire)は、がん治療薬の研究開発を行う製薬企業Aspera Biomedicines, Inc.(アメリカ・カリフォルニア州、創業者兼CEO:Catriona Jamieson、以下Aspera)から、新規のがん治療法の研究開発に向けた宇宙実験に関する契約を受注したと発表しました(Redwireによる発表)。
実験では、Redwireの宇宙製薬実験装置「PIL-BOX」を使用し、がん幹細胞の増殖を阻止する機能をもつ可能性があることが示されているADAR1タンパク質阻害薬「レベクシニブ(rebecsinib)」の結晶構造を分析するとのこと。
Asperaによる今回の実験は今年後半に打ち上げられる予定だということです。
QPS研究所、小型SAR衛星「ヤマツミ-Ⅰ」の打上げ予定を発表 6/11(水)

2025年6月4日、小型合成開口レーダー(SAR)衛星の開発・運用を行う株式会社QPS研究所(福岡県福岡市、代表取締役社長CEO:大西俊輔)は、小型SAR衛星QPS-SAR11号機(愛称:ヤマツミ-Ⅰ)を日本時間の6月11日(水)午前0時45分以降に打ち上げる予定だと発表しました。
ニュージーランドのマヒア半島にあるアメリカの宇宙企業ロケット・ラボ(Rocket Lab)の射場から、同社のロケット・Electronで打ち上げられます。
QPS研究所は今年2月にRocket Labと衛星8機分の打上げ契約を締結したことを発表していますが、今回の打上げはこのうちの3回目で、同社専用のロケットでの打上げとなります。
QPS研究所代表の大西氏は、「先月5月17日のQPS-SAR10号機打上げから半月ほどで、次の11号機についてお知らせできることを大変嬉しく思います」とコメントしています。
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