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若田宇宙飛行士、初の宇宙空間での船外活動が終了

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田光一宇宙飛行士は、米航空宇宙局(NASA)のニコール・マン宇宙飛行士とともに、2023年1月20日22時15分頃から翌21日5時35分(日本時間)にかけて、7時間21分にわたる船外活動を実施しました。日本人宇宙飛行士の船外活動は2021年9月の星出彰彦さんに続き12回目。若田さんの宇宙飛行は日本人最多の5回目ですが、これまでに船外活動の経験はなく今回が初めてとなりました。

NASA の Expedition 68 フライト エンジニアのニコール マン氏と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の若田浩一氏が、予定されている船外活動の前に、クエスト エアロック内で宇宙服のフィット チェックを行っている様子を撮影しています。
Credit:JAXA/NASA

若田宇宙飛行士は、2022年10月からISSに滞在し、今後の月や火星の探査を見据えたさまざまな実験に取り組んでいる最中でした。

今回の船外活動で若田宇宙飛行士が実施したのは、ISSに電力を供給する新型太陽電池パネルの架台を設置する作業。2021年3月に野口聡一宇宙飛行士が、同年9月に星出彰彦宇宙飛行士が行った作業に続くもので、今回は、ISSの進行方向右側の内側にある太陽電池パネルに取り付け作業が行われました。ISSの生活や実験で使う電力をまかなう8か所の太陽電池は、2000~2009年に設置され劣化が進んでいましたが、今回の船外活動によって2030年までのISS運用中は安定的に電力を確保できるようになるということです。

新型太陽電池パネルは、従来型の3分の1程度のサイズでありながら発電量はほぼ同等で、すでに4基の設置が完了しています。最終的には合計6基の設置が予定されており、2023年6月頃までにはパネルの設置作業の大半が終わる見通しとされています。

若田宇宙飛行士は船内に戻る際、日本語で「ご支援いただいた皆様ありがとうございました。宇宙ステーションの一番端で仕事をしましたが、その先に明るく輝いている月がとても印象的でした。私たちを新たな有人宇宙探査に導いてくれるように見えました」と話していました。

宇宙遊泳者 (左から) 若田浩一とニコール・マンは、宇宙ステーションにハードウェアを取り付けて、次の太陽電池アレイの展開に向けて周回ラボを準備しています。 クレジット: NASA TV
国際宇宙ステーションで船外活動を行う若田光一宇宙飛行士(左)とニコール・マン宇宙飛行士(右)
Credit:NASA TV

なお、船外活動の訓練はプールの中で行われ、若田宇宙飛行士は、今回の長期滞在のためだけでも実に15回程度、約84時間もの潜水訓練を行ったということです。