2024年3月12日、フィンランドに本社を置く衛星企業のICEYE(アイスアイ、フィンランド・ヘルシンキ、CEO&共同創設者 ラファル・モドルゼフスキ)は、海洋領域認識のための情報を提供するSAR(合成開口レーダー)製品ファミリーであるICEYE Ocean Visionシリーズの第一弾として、「ICEYE Ocean Vision Detect」を国内で提供開始すると発表した。
フィンランドを拠点とするICEYEは、世界5拠点で事業を展開。世界最大規模のSAR衛星コンステレーションを所有しており、地球観測データやそれを活用したソリューションを提供している。
今回、提供が開始される「ICEYE Ocean Vision Detect」は、海洋での安全や違法行為の監視などに関する情報を必要とする公的機関および民間の顧客に向け、海上の船舶の存在や位置、サイズに関する情報を提供するサービス。
同社の衛星コンステレーション独自の機能と機械学習による分析ワークフローを組み合わせ、特殊なSARデータ由来の情報レイヤーを提供できることが特徴で、ユーザーはSARデータ派生機能によりSARデータに含まれる固有の情報に迅速にアクセスし、分析することができる。
また、船舶自動識別装置(AIS)や無線周波数(RF)データなどの補完的なデータソースと容易に統合することも可能で、SARの専門知識をもたないアナリストであっても、本サービスを使用することでより多くの関心領域をより頻繁に監視し、迅速な運用が可能になるという。
ICEYEの日本でのデータセールスリーダーである冨士原大悟氏は、サービス提供開始に際し、リリースで「日本を取り巻く地政学的緊張を考慮すると、海洋領域の認識は日本の安全保障にとって不可欠で、効率的かつ合法的な海上オペレーションの維持が課題となっています。このほど、ICEYE Ocean Visionを日本の政府機関や企業に提供し、海上安全保障の強化に貢献できることを喜ばしく思います」とコメントした。
漁業や海上輸送、また安全保障の面でも重要性が高まっている海洋。広大な領域の状況を把握するためには、宇宙からの「目」である衛星が非常に大きな役割を発揮する。
世界でサービスを展開するICEYEのサービス提供が日本でも開始されることで、国内の宇宙ビジネスにどのような影響があるかにも注目だ。