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SPACE COTANと将来宇宙輸送システム、射場開発・利用で基本合意書締結

2025年6月16日、商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営するSPACE COTAN株式会社(北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長兼CEO:小田切義憲)と、将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎)は、射場開発・射場利用に係る基本合意書(MOU)を締結したと発表しました。
将来宇宙輸送システムは、人工衛星打上げ用再使用型宇宙輸送と国際競争力のある有人宇宙輸送システムの実現を目標にロケットの開発を進めており、2025年中に米国で同社のロケット「ASCA 1」シリーズの初の飛行試験を計画しています。
一方で、将来的な国内での打上げ試験に備えて国内射場の検証も進めており、SPACE COTANとのMOU締結に至ったということです。
同MOUでは、ロケット「ASCA1.2 試験機1号機」のHOSPOからの打上げ・軌道投入・第1段機体回収に向け、両社で相互に情報提供を行い、射場運用計画の立案を進めるということです。
なお、将来宇宙輸送システムは同日に、福島県の「令和7年度 地域復興実用化開発等促進事業費補助金」に採択され、シミュレーターや単体試験装置、統合試験装置の開発環境を、同県の浜通り地域で整備・製作するという発表も行っています(参考記事)。
アストロスケール英国、英国防系機関から宇宙状況把握の能力強化で約10億円の契約を獲得
2025年6月16日、スペースデブリ除去等の軌道上サービス開発に取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼CEO:岡田光信)の英国子会社Astroscale Ltd(以下アストロスケール英国)は、英国国防省の執行機関・国防科学技術研究所(Defense Science and Technology Laboratory:Dstl)より、515万ポンド(約10億円)の契約を獲得したと発表しました。
宇宙天気や軌道上の混雑・敵対的行動など、宇宙システムへの脅威が増していることから、英国の産業界、政府、学界、カナダ・アメリカの国際政府パートナーによる共同プロジェクト「オルフェウス(Orpheus)ミッション」が2027年の打上げ予定で進められており、同契約で、アストロスケール英国はサブコントラクターのOpen Cosmosが設計・製造する2機の小型衛星の運用を担うとのことです。
2機の衛星は、太陽同期軌道で編隊飛行を行い、現場観測およびリモートセンシング技術を用いてデータを観測・収集するとともに、宇宙領域把握に関する複数のペイロードも搭載するということです。
商業有人宇宙ミッション「Ax-4」、また打上げ延期 新たな予定日は6/19以降

2025年6月14日、アメリカ航空宇宙局(NASA)と、宇宙開発企業のAxiom Space、SpaceXは、国際宇宙ステーション(ISS)に向けた民間宇宙飛行士による4回目のミッション「Axiom Mission 4(Ax-4)」の打上げを、6月19日以降で検討していると発表しました(NASAによる発表)。
これに先立ち、6月12日にはISSのロシア区画にあるズヴェズダ(Zvezda)モジュール内でかねてから起きていた空気漏れに対処する必要があるとして、打上げの延期が決定されていました。
直近の修理により、漏れが示唆されていた部分である「移送トンネル」内の圧力は安定しているとのことですが、圧力の安定は別の要因によるものである可能性もあるとして、引き続きモニターが行われています。
一方、6月11日に発表された延期の原因であるFalcon 9ロケットの液体酸素漏れは修理が終わり、打上げを担うSpaceXは、Falcon 9に燃料を注入したうえで打上げまでの工程を確認する「ウェットドレスリハーサル」を完了しています。
ニュージーランドのDawn、スペースプレーン「マーク2 オーロラ」をオクラホマ宇宙港に提供へ

2025年6月12日、ニュージーランドのDawn Aerospace New Zealand Ltd.(ニュージーランド・クライストチャーチ、共同創業者兼CEO・CTO:Stefan Powell、以下Dawn、参考記事)は、同社が開発するロケット推進サブオービタル機「Mk-Ⅱ Aurora(マーク2 オーロラ)」の納入に関し、米オクラホマ州宇宙産業開発局(OSIDA)と提携契約を締結したと発表しました(Dawnによる発表)。
この契約に基づき、Dawnは2027年にMk-Ⅱ Auroraと運用チーム・地上管制局をオクラホマ宇宙港(Oklahoma Air and Space Port)に提供し、同年中に同機による宇宙飛行を実施するとしています。
Dawnによると、Mk-Ⅱ Auroraは最大5キログラムのペイロードを高度100キロメートルまで輸送でき、ターンアラウンドタイムが4時間と短いため、1日に2回、大気圏と宇宙空間の境界であるカルマン線を越える飛行が可能だということです。
なお、6月12日付の米宇宙メディア「SpaceNews」の報道によると、契約金額は1,700万ドル(約25億円)とされています。
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