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フォースタートアップスキャピタル、気球による「宇宙遊覧」の岩谷技研に出資

2025年6月17日、スタートアップ企業向け人材支援等を手がけるフォースタートアップス株式会社(東京都港区、代表取締役社長:志水雄一郎)のグループ会社であるフォースタートアップスキャピタル合同会社は、同社が運営するフォースタートアップス1号投資事業有限責任組合において、株式会社岩谷技研(北海道江別市、代表取締役:岩谷圭介)に出資したと発表しました。
岩谷技研は「高高度ガス気球」を用いた独自のアプローチによる「宇宙遊覧フライト」の実現を目指しており、昨年7月には自社開発の有人気球で高度20,816メートルの成層圏に到達しています(参考記事)。
出資額は非公表ですが、フォースタートアップキャピタルでは、「宇宙の民主化」を掲げて岩谷技研が主催する共創プロジェクト「OPEN UNIVERSE PROJECT」の取り組みや「宇宙戦略基金」への連携機関としての参画などが出資の背景にあるとしています。
米Muon Spaceが約212億円調達 推進システム企業買収と年産500機体制の構築も
2025年6月12日、衛星コンステレーション開発企業Muon Space(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Jonny Dyer)は、シリーズB1資金調達で総額1億4,600万ドル(約212億円)を調達したと発表しました(Muon Spaceによる発表)。
Muon Spaceは、この調達額は目標を大きく上回るものであったとしています。同社は2021年の設立ながら、かねてより米国の政府機関である宇宙開発庁や宇宙軍、国家偵察局などから契約を得ており、急速に成長していることがうかがえます。
また、同社は、推進システム開発を手がける新興企業Starlight Enginesの買収も発表。コスト削減と安全性向上を両立が期待される亜鉛燃料による固体推進剤ホール効果スラスターの垂直統合を実現するとしています。
さらに今回の発表の中では、カリフォルニア州サンノゼに13万平方フィート(約12,000平方メートル)の製造施設を開設したことも明かされました。100~500キログラムの小型衛星を最大で年間500機生産できる体制を整えたということです。
ポルトガル空軍、フィンランド・ICEYEとSAR衛星・アンテナ購入の契約を締結

2025年6月13日、フィンランドのICEYE(フィンランド・ヘルシンキ、共同創業者:Rafal Modrzewski、Pekka Laurila)は、6月12日付で、ポルトガル空軍が同社の合成開口レーダー(SAR)衛星1機と地上セグメント、アンテナ1基を購入する契約に署名したと発表しました(ICEYEによる発表)。
衛星やその他のコンポーネントは、ポルトガル空軍と現地のエンジニアリング・イノベーションセンター・CEiiAの合弁会社であるCTI Aeroespacialに納入される予定で、両社は今後のさらなる購入についても議論を進めているということです。
今回購入の契約が結ばれた衛星は、環境モニタリングや災害救助などを目的に、ポルトガルとスペインが共同で開発する小型地球観測衛星コンステレーション「Atlantic Constellation」にて、ポルトガル側の1機として使用されるとのことです。
宇宙技術で海洋を守れ 「Space4Ocean Alliance」が発足

2025年6月13日、フランス・ニースで開催中の第3回国連海洋会議にて、宇宙技術を活用した海洋保護の国際連携組織「Space4Ocean Alliance」が発足しました(国連宇宙部による発表)。
この組織は、フランス国立宇宙研究センター(CNES)が提案したもので、国連宇宙部(UNOOSA)、ユネスコ政府間海洋学委員会、欧州宇宙機関(ESA)に加え、各国宇宙庁など26機関が関心表明宣言に署名しました。
「Space4Ocean Alliance」は、宇宙データ、現地観測、先進的デジタルモデルを統合活用し、持続可能な開発目標(SDGs)の目標14「海の豊かさを守ろう」の達成に貢献することが目的。
具体的には、衛星による海洋保護区の監視強化、気候変動による海洋・沿岸域への影響評価、違法漁業の監視、海洋汚染の検出・軽減などに宇宙技術を活用するということです。
特に、小島嶼開発途上国(SIDS)や後発開発途上国への能力構築支援に重点を置き、観測データへのアクセス拡大と技術移転を推進。持続可能なブルーエコノミーの発展を目指すとしています。
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