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米Sierra Space、国家安全保障に特化した新部門を設立 生産施設建設にも着手

2025年6月11日、米国の宇宙開発企業シエラ・スペース(アメリカ・コロラド州、暫定CEO:Fatih Ozmen、以下Sierra Space)は、国家安全保障分野の事業に特化した新部門、シエラ・スペース・ディフェンス(Sierra Space Defense)を設立したと発表しました(Sierra Spaceによる発表)。
同社は、米国の宇宙分野がかつてないレベルの新たな脅威に直面していることが新部門立ち上げの背景にあると指摘。これに対応するため、自社の宇宙技術を通じて米国の防衛産業基盤の活性化に注力するとしています。
Sierra Spaceは、民間宇宙ステーション「オービタルリーフ(Orbital Reef)」やスペースプレーン「ドリームチェイサー(Dream Chaser)」の開発を進めていますが、2023年以降は30機の衛星製造に関する15億ドル(約2,160億円)の国家安全保障・防衛契約を獲得するなど、国家安全保障領域の事業にも重点を置いています。
また、同社は新部門設立とともに、「ヴィクトリー・ワークス(Victory Works)」という生産施設の拡張計画も発表しています。
北海道大樹町とインターステラテクノロジズ、打上げに向けた基本合意書を締結

2025年6月12日、商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営する北海道大樹町(町長:黒川豊)は、インターステラテクノロジズ株式会社(北海道広尾郡大樹町、代表取締役CEO:稲川貴大)と、人工衛星打上げ用の射場「Launch Complex1(LC1)」の優先事業者として、打上げに向けた基本合意書を締結したと発表しました。
大樹町は1980年代から「宇宙のまちづくり」を進めており(参考記事)、2017年からHOSPO内の射場兼実験場「Launch Complex0(LC0)」の運用を開始しています。現在は、LC0に続くロケット射場としてLC1を整備中で、昨年12月にLC1での打上げ事業者を公募する情報提供要請(Request for Information:RFI)を実施していました。
今回の合意書締結は、RFIに応じた国内外9社のうち、小型人工衛星打上げロケットZEROを開発するインターステラテクノロジズを、LC1における「最も計画の確度が高い事業者」として評価したことに基づいているとのことです。
両者は今後、詳細契約に向けた協議を進めるとしています。
英BAE Systems、先進マルチセンサー衛星システム開発に向け韓国Hanwha Systemsと覚書締結

英国の防衛・航空宇宙企業BAE Systems(イギリス・ロンドン、グループCEO:Charles Woodburn)とHanwha Systems(韓国・ソウル、CEO:Jae-il Son)は、国際市場向けのマルチセンサー衛星システム開発に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました(BAE Systemsによる発表)。
両社は、BAE Systemsの超広帯域無線周波数(RF)センサー技術と、Hanwha Systemsの次世代合成開口レーダー(SAR)における宇宙領域の専門知見を組み合わせ、複数のセンサーを使用してRFとSARデータを収集し、機械学習による分析を行って情報収集・監視・偵察(intelligence, surveillance and reconnaissance:ISR)機能を提供するシステムの開発を目指すとのこと。
BAE Systemsは、2025年内に脅威・危険性の把握を目的とした初の地球低軌道(LEO)衛星クラスター「Azalea™」を打上げ予定だということです。
米Redwire、国際宇宙ステーションでの微細藻類に関する実験をNASAから受託
2025年6月10日、宇宙インフラなどの開発を手がける米レッドワイヤー(アメリカ・フロリダ州、CEO:Peter Cannito、以下Redwire)は、アメリカ航空宇宙局(NASA)から、宇宙微細藻類バイオテクノロジー実験の実施を受託したと発表しました(Redwireによる発表)。
この実験は、インド宇宙研究機関(ISRO)とインドの2つの研究機関(国際遺伝子工学バイオテクノロジーセンター〔ICGEB〕とインド国立植物ゲノム研究所〔NIPGR〕)が共同開発したもので、間もなく国際宇宙ステーション(ISS)に向かうAxiom Mission 4(Ax-4)で打ち上げられる予定です。
実験では、月や火星への長期宇宙ミッションにおける持続可能な食料源になりうるとされている3種類の食用微細藻類に対する微小重力の影響を、成長、代謝、遺伝子活動の観点から分析する予定だということです。
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