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天地人、自社衛星の開発を本格始動 ウェルリサーチ・ビジョンセンシングと連携

2025年6月25日、株式会社天地人(東京都中央区、代表取締役:櫻庭康人)は、株式会社ウェルリサーチ(千葉県市原市、代表取締役:渡辺和樹)、株式会社ビジョンセンシング(大阪府大阪市、代表取締役:水戸康生)の2社と連携し、自社衛星の開発に本格着手したと発表しました。
同社は今年1月に、気候変動や災害リスク評価、インフラ老朽化対策に欠かせない情報である地表面温度観測を強化する「Thermo Earth of Love プロジェクト(地表面温度観測衛星計画)」を発表し、衛星の自社開発を行うとしていました(参考記事)。
開発パートナーとなったウェルリサーチは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のX線分光撮像衛星「XRISM」に搭載された防振ダンパーの開発や、小型月着陸機「SLIM」に搭載された変形型月面ロボット「LEV-2(愛称:SORA-Q)」の電源基板の開発などを担当。また、ビジョンセンシングは国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟のロボットアームに搭載されている赤外線カメラを開発するなど、豊富な実績をもつ企業です。
米Varda、「W-4ミッション」を実施 軌道上実験の後、サンプル入りカプセルが再突入の予定

2025年6月23日、微小重力環境を利用したライフサイエンス研究を進めるVarda Space Industries(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Will Bruey、以下Varda)は、軌道上で実験等を行ったカプセルを再突入させて回収するミッションとして4回目となるW-4ミッションを打ち上げたと発表しました(Vardaによる発表)。
衛星に搭載されたペイロードには、溶液ベースの結晶化モジュールが搭載されており、微小重力環境での低分子医薬品の結晶化実験が行われるとのこと。軌道上での処理が完了した後、カプセルは衛星バスから分離されて大気圏に再突入、オーストラリア南部に着陸する予定です。
なお、「W-4ミッション」では、Vardaが初めて自社工場で製造した耐熱シールドが使用されており、これはNASAエイムズ研究センターで開発された材料を、NASAとの技術移転ライセンス契約に基づいて同社が商用生産したものだということです。
アークエッジ・スペース、超小型衛星2機を軌道投入 衛星リモセン・海洋通信を実証

Credit: 株式会社アークエッジ・スペース プレスリリース
2025年6月24日、株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役CEO:福代孝良、参考記事)は、同社が開発した6U衛星の汎用バスシステムを採用した超小型衛星「AE2a」「AE3Va」2機の打上げが成功し、試験電波による通信も確立したと発表しました。
2つの衛星は今後数カ月、初期運用を行った後、「AE2a」はハイパースペクトルカメラの軌道上実証実験とIoT通信実験を、「AE3Va」は同社が進める海洋向け衛星通信(VHF Data Exchange System:VDES)事業向け展開アンテナの実証とVDES受信機の要素技術の改良・実証を行う予定だということです。
同社は、2021年度に経済産業省、2023年度からは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択され、10キログラム級の6U衛星の標準汎用バスシステム、量産システムと複数衛星の自動運用システムの構築とともに、これらのシステムを利用した7機の衛星による多目的衛星コンステレーションの軌道上実証を段階的に実施しています。
昨年12月に「AE1b」を、今年1月に「AE1c」「AE1d」を軌道投入しており、今回の2機を加えると7機中5機の軌道投入が完了したことになります。
商業有人宇宙ミッション「Ax-4」打上げ 日本時間今夜にISSに到着

アメリカ東部夏時間の2025年6月25日午前2時31分(日本時間 25日午後3時31分)、フロリダ州のケネディ宇宙センターから、4人のクルーを乗せた商業有人宇宙ミッション「Ax-4」が打ち上げられました(NASAによる発表)。
クルーが搭乗しているドラゴン宇宙船は、日本時間の午後8時ごろにISSにドッキングする予定です。
「Ax-4」は、2023年に米国とインドの間で行われた会合の中で、国際宇宙ステーション(ISS)での両国の共同研究実施に向けてアメリカ航空宇宙局(NASA)とインド宇宙研究機関(ISRO)の協力が開始されたことに基づくもので、ISRO宇宙飛行士のシュバンシュ・シュクラ(Shubhanshu Shukla)氏が今回ISSに向かいます。
シュクラ氏のほかには元NASA宇宙飛行士のペギー・ウィットソン(Peggy Whitson)氏、欧州宇宙機関(ESA)宇宙飛行士のスワウォシュ・ウズナンスキー・ヴィシニェフスキー(Sławosz Uznański-Wiśniewski)氏とティボル・カプ(Tibor Kapu)氏が参加しており、4人は約2週間、ISSに滞在し、研究・教育・商業活動に従事することになっています。
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