5/19宇宙ニュース・アクセルスペース、次世代衛星「GRUS-3」7機を7月以降に打上げ ほか3件

5/19宇宙ニュース・アクセルスペース、次世代衛星「GRUS-3」7機を7月以降に打上げ ほか3件

アクセルスペース、次世代衛星「GRUS-3」7機を7月以降に打上げ ニコン開発の望遠鏡を搭載

会見の最後に記念撮影を行うニコン 代表取締役 兼 社長執行役員CEOの大村泰弘氏(左)と、アクセルスペース代表取締役の中村友哉氏(右)

2026年5月19日、株式会社アクセルスペース(東京都中央区、代表取締役:中村友哉)と株式会社ニコン(代表取締役 兼 社長執行役員CEO:大村泰弘)は、東京都内で共同記者会見を開催し、次世代地球観測衛星「GRUS-3」7機を、今年7月以降に打ち上げると発表しました。

アメリカのヴァンデンバーグ宇宙基地から、SpaceXのロケット「Falcon 9(ファルコン9)」にて7機同時に打ち上げるということです。

アクセルスペースは、地球観測データ提供サービス「AxelGlobe(アクセルグローブ)」を運営しており、2018年に「GRUS-1」初号機を、21年に追加で4機を打ち上げており、現在は5機体制。7機の打上げが成功すれば機数は大幅に増加します。

会見で、アクセルスペース代表の中村氏は7機の打上げにより「タイミング」と「データ量」が向上すると説明。

従来2〜3日に1回だった地上の同一地点の撮影頻度が1日1回に向上し、撮影範囲も5機・75万平方キロから7機・230万平方キロに拡大して短期間で広大なエリアが撮影できるようになるとともに、望遠鏡のイメージセンサーが変更されたことで、より精細な画像が取得できるようになると説明しました。

加えて、沿岸部や浅瀬の観測に強い「コースタルブルー」という観測バンドを追加することで、観測用途の広がりに貢献できるという見込みを示しました。

中村氏は、7機同時打上げに向けた衛星の並行開発・製造は大きなチャレンジだったと振り返りました。機体はすでにアメリカへ輸送されており、ロケットへの搭載に向けた準備が進んでいるということです。

また、「GRUS-1」に続き「GRUS-3」でも宇宙用望遠鏡を提供したニコン代表の大村泰弘氏が登壇。

同社ではアメリカ航空宇宙局(NASA)によるアポロ計画やアルテミス計画への宇宙用カメラの提供や、国際宇宙ステーション(ISS)用の生細胞観察機器の開発など、かねてから宇宙開発に関与してきたと紹介しました。

アクセルスペースとニコンによる「国産」の地球観測衛星からのデータが社会でどのように活用されていくのか、今後の展開が期待されます。

米Voyagerと米Red Hat、ISSの「マイクロデータセンター」でRHEL展開に成功

2026年5月11日、Voyager Technologies(米コロラド州、会長兼CEO:Dylan Taylor、以下Voyager)とRed Hat(アメリカ・ノースカロライナ州、社長兼CEO:Matt Hicks)は、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されているVoyagerのマイクロデータセンター「LEOcloud Space Edge™ IaaS」への、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)10.1およびRed Hat Universal Base Image(UBI)の展開に成功したと発表しました(Voyagerによる発表)。

Red Hatは企業向けLinux OSの提供等を手がける企業。Voyagerは昨年9月、軌道上でのデータ処理を目的としたマイクロデータセンター「Space Edge」を打ち上げましたが、「Space Edge」にはRed Hatとオープンソースコミュニティが開発したコンテナの実行・管理を行うオープンソースのコンテナエンジン「Podman」が採用されています。

両社は、軌道上でRHELを実行できることは、通信遅延・運用コストの削減とともに、エッジ環境でのセキュリティ強化にもつながるとしています。

SpaceXを率いるイーロン・マスク氏による構想をはじめとして、「軌道上データセンター(宇宙データセンター)」に関する取り組みがさまざまな企業から相次いでいます。今後、宇宙でのデータ処理等に関する技術開発はいっそう活発になっていくと予想されます。

米Aetherfluxが約437億円調達 「Cowboy Space」に社名変更し、宇宙データセンター開発へ参入

2026年5月11日、Aetherflux(アメリカ・カリフォルニア州、創業者兼CEO:Baiju Bhatt)は、シリーズBとして約437億円を調達するとともに、社名を「Cowboy Space Corporation」(以下Cowboy Space)に変更すると発表しました(Cowboy Spaceによる発表)。

同社は2024年に設立。当初は宇宙太陽光発電やレーザーによる地上への電力伝送の実現などを掲げていましたが、今年に入りAI向け宇宙データセンター構想を前面に打ち出しています。

今回、同社はリリースの中で「太陽光発電を利用する低軌道衛星コンステレーション、これらを打ち上げるための専用ロケット、そして宇宙環境向け計算基盤ペイロードを開発している」としています。

発表によると、ロケット上段とデータセンターペイロードを単一の機体として設計することで軽量化を図るとともに、軌道上で供給される電力・コンピューティングリソースを最適化できるとのこと。ロケット上段自体が1メガワット級のデータセンターとして機能するということです。

Cowboy Space代表のBaiju Bhatt氏は、「ロケットとデータセンターは最初から一体のものとして設計する。これは従来の衛星コンステレーションとは根本的に異なるアプローチだ」と語っており、構想の実現可能性が注目されます。

宇宙資源探査のオーレオンスペースシステムズ、欧州の宇宙スタートアップ支援プログラムに選定

Credit: 株式会社オーレオンスペースシステムズ プレスリリース

2026年5月18日、株式会社オーレオンスペースシステムズ(東京都港区、代表取締役:若元淳鷹)は、欧州宇宙資源イノベーションセンター(ESRIC)が主催する「Start-up Support Programme 第6期(SSP6)」に、日本企業として初めて選定されたと発表しました。

同社は「小惑星資源で永続的な資源供給を実現する」ことを掲げて昨年設立されたスタートアップ。SPACETIDEによるアクセラレーションプログラム「AXELA 2025」に採択されており、宇宙ユニコーン創出プログラム「S-Booster 2025」では代表の若元氏がピッチを行っています(参考記事)。

同社が選定されたプログラム「SSP」を主催するESRICは、宇宙資源分野に特化したイノベーションセンターで、欧州宇宙機関(ESA)、ルクセンブルク宇宙局(LSA)、ルクセンブルク科学技術研究所(LIST)が支援しています。

SSPは、宇宙資源開発を目指すスタートアップに対し、技術・ビジネス・法務・投資家ネットワークへのアクセスを提供するプログラムで、同社はSSP第6期の採掘・輸送技術セグメントの中で選定されたということです(ESRICによる採択発結果の発表)。

同社は今回の選定を通じ、ESAなどをはじめとする欧州主要機関との連携を深めるとともに、欧州の宇宙資源コミュニティの中で日本企業としての存在感を確立していきたいとしています。

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