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第123回宇宙政策委員会開催 小野田大臣「宇宙技術は次世代の国家インフラ」

2026年5月21日、内閣府にて第123回宇宙政策委員会が開催され、主に「官民投資ロードマップ」「宇宙基本計画工程表改訂に向けた重点項目(案)」「宇宙戦略基金の進捗状況」についての議論が行われました。
会議は非公開で行われましたが、終了時に内閣府特命担当大臣(宇宙政策担当)の小野田紀美氏が締めくくりの発言を行い、「宇宙技術は安全保障と社会課題の解決を担う次世代の国家インフラ」としたうえで、高市内閣の成長戦略における戦略17分野のうちの1分野に含まれている宇宙においても、官民投資ロードマップの策定に向けた議論が進み、有識者の意見が取りまとめられたと現状を示し、今夏の日本成長戦略策定に向け、施策の具体化を加速していくとしました。
一方で、第三期に入った宇宙戦略基金については、「引き続き速やかな1兆円規模での支援を目指す一方で、勝ち筋や成果についても問われ始める時期」になったと指摘。出口戦略を含めた積極的なマネジメントを期待するとしました。
なお、政府の成長戦略会議では、危機管理投資・成長投資の観点から①ロケット・射場、②人工衛星・サービス、③月面探査・低軌道技術の3項目で検討が進められており、①では高頻度打上げに向けたインフラやサプライチェーンの整備・強化、②では衛星技術の高精度化や製品開発・サービスの社会実装支援、③月面有人与圧ローバーをはじめとした日本が強みをもつ技術を生かした国際貢献、といった方向性が示されています。
基盤の整備・強化から産業創出、技術の社会実装、さらには産業や技術開発を支える人的資本の強化まで、宇宙開発、宇宙産業の確立には多面的な取り組みが求められます。
今後、宇宙ビジネスの領域においては官民の連携や多組織間での協力がいっそう重要になってくるといえます。
アストロスケールとスカパーJSATが戦略的パートナーシップ締結、次世代宇宙インフラを構築
2026年5月19日、株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼CEO:岡田光信)とスカパーJSAT株式会社(東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉英一)は、戦略的パートナーシップの構築に合意したと発表しました。
アストロスケールの軌道上サービス技術と、スカパーJSATの衛星運用に関する知見・インフラ基盤を融合することで、信頼性の高い宇宙ソリューションの実現を目指すとしています。
また、グローバル市場も視野に入れて持続可能かつ商業的に成立可能なサービスの拡大を通じ、宇宙産業の発展と宇宙経済圏の形成に貢献していきたいともしています。
デブリ除去をはじめとする故障機や物体の観測・点検、衛星の寿命延長、修理・アップグレードといった軌道上サービスソリューションの開発を進めるアストロスケールと、衛星通信・放送を中心に、近年では安全保障事業や地球観測事業にも事業領域を拡大しているスカパーJSATとの連携は、日本発の軌道上サービス実用化に向けた重要な一歩となりそうです。
米Vast、高出力衛星バス事業に進出 宇宙ステーション関連技術を活用

2026年5月19日、宇宙ステーション開発企業のVast(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Max Haott)は、通信、地球観測、国家安全保障、軌道上データセンターといった用途の衛星コンステレーションを対象とした高出力衛星バス「Vast Satellite」を発表しました(Vastによる発表)。
「Vast Satellite」は15キロワット級の高出力衛星バスで、同社の商業宇宙ステーション「Haven-1」向けに開発され、昨年行われたミッション「Haven Demo」で実証された技術を活用しているということです。
主なスペックは下記のとおりです。
- 設計寿命:5年
- ペイロード搭載能力:350キログラム以上
- 太陽光発電容量:15キロワット
- ペイロード最大電力:20キロワット超(運用条件による)
- 10キロワット級のクリプトン電気推進システム
- 高度:350〜1,200キロメートル(将来的に中軌道〔MEO〕・静止軌道〔GEO〕・月軌道にも対応予定)
- オプション:軌道上データセンター向けAI推論・エッジコンピューティング向けのNVIDIA「Space-1 Vera Rubin Module」の搭載
Vastは、すでに匿名の顧客と「Vast Satellite」4機の購入契約を結び、さらに最大200機まで追加購入できるオプション契約も締結しているとしています。
これまで商業宇宙ステーション開発に注力してきた同社ですが、培った技術を活用して事業の幅を広げたかたちとなります。
米Star Catcherが約103億円を調達 宇宙空間での光無線送電
2026年5月12日、宇宙エネルギー企業Star Catcher(アメリカ・フロリダ州、CEO:Andrew Rush)は、6,500万ドル(約103億円)を調達したと発表しました(Star Catcherによる発表)。
これまでの調達総額は8,800万ドル(約140億円)に達したということです。
同社は太陽エネルギーを集光し、光ビームとして人工衛星などの宇宙機に送電する「スターキャッチャーネットワーク(Star Catcher Network)」を開発しており、既存衛星を大きく改修することなく電力供給できるとしています。
2025年3月に地上での電力伝送実験に成功(参考記事)、今年4月には軌道上でのサブシステムの実証を完了しています。
今回の資金調達を通じて、同社は実証技術を拡張可能なインフラに移行する体制を整えるとしています。
また、米宇宙インフラ開発企業のLoft Orbital(参考記事)など、7件の電力購入契約や複数の政府契約を獲得しており顧客基盤も築かれているとのことです。
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