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11/19宇宙ニュース・IST、ロケット「ZERO」初号機の顧客に日米の3衛星が追加 ほか3件

インターステラテクノロジズ、ロケット「ZERO」初号機の顧客に日米の3衛星が追加 搭載衛星は計7機に

Credit: インターステラテクノロジズ株式会社 プレスリリース

2025年11月19日、インターステラテクノロジズ株式会社(北海道広尾郡大樹町、代表取締役CEO:稲川貴大、以下IST)は、小型人工衛星打上げロケット「ZERO」初号機の顧客として、追加で国内外3衛星が決定したと発表しました。

今回新たな顧客として加わったのは、東京大学、米国の私立学校Fulton Science Academy、米国の企業Lothan Space。いずれも大学や学生チームが開発した教育用キューブサット打上げのため、打上げ契約(Launch Service Agreement:LSA)を締結したということです。

ZEROの初号機顧客は現時点で下記の8社・者となっています(※印が新規)。

  1. Ocullospace(シンガポール)
  2. Wolfpack キューブサット開発チーム(米国)
  3. DALRO Aerospace(韓国、衛星分離機構の搭載)
  4. 大阪公立大学 小型宇宙機システム研究センター(SSSRC、日本)
  5. 東京都市大学(日本)
  6. 東京大学 宇宙資源連携研究機構(CSRI、日本)※
  7. Fulton Science Academy(米国)※
  8. Lothan Space(米国)※

ISTでは、通常は打上げ実証にとどまることが多い初号機で民間顧客の衛星を獲得したことは世界的にも珍しいとしており、参加企業らは、打上げを通じてロケットに衛星を組み込むまでの経験を積んだり、自社の技術を宇宙で実証する機会と捉えているとその背景を説明しています。

Pale Blue、スラスタの新製品2種を発表

Credit: 株式会社Pale Blue ウェブサイト

2025年11月18日、小型衛星向け推進機の開発・製造を手がける株式会社Pale Blue(千葉県柏市、代表取締役:浅川純)は、推進機の新製品2種を発表しました。

今回発表されたのは、高推力・高比推力を兼ね備えた小型ホールスラスタ(推進機)「PBH-100」と、低電力・高推力を実現したレジストジェットスラスタ(推進機)「PBR-30」の2種。

「PBH-100」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星ミッションでも用いられた日本独自のマイクロ波カソード技術を採用することで、従来のホールスラスタと比べて起動速度を大幅に短縮、一方の「PBR-30」は軌道上での実績の同社技術を踏襲し、投入電力を変更することで推力の調整が可能になっているということです。

UAEのOrbitworks、商用衛星に特化した製造施設を開設 中東初

2025年11月12日、アラブ首長国連邦(UAE)のオービットワークス(UAE・アブダビ、CEO代行:Hamdullah Mohib、以下Orbitworks)は、アブダビの経済特区内に、中東初となる商業衛星の製造・組立に特化した施設を開設したと発表しました(Orbitworksによる発表)。

新設された製造施設は約4,500平方メートルの広さで年間50機の衛星を製造可能な能力をもつとのこと。フル稼働時には週1機を生産できるとしています。

同社はこの施設で、UAE初のAI搭載の商用地球観測衛星コンステレーション「アルタイル(Altair)」の製造を開始する予定。「アルタイル」は、10機の衛星で構成されるコンステレーションで、最初の衛星は2026年に打ち上げられる見込みです(参考記事)。

また、同施設では、人工衛星や宇宙船、特殊なペイロードまで、あらゆる宇宙機の組み立て・統合・試験が行えるほか、協働型イノベーションハブとして機能させ、パートナーへ知識移転等の機会を提供することもできるとしています。

米Star Catcher、米Loft Orbitalと宇宙での電力購入契約を締結

2025年11月18日、米国の宇宙エネルギー企業・Star Catcher Industries(アメリカ・フロリダ州、CEO:Andrew Rush、以下Star Catcher)は、同じく米国の宇宙インフラ開発企業・Loft Orbital(アメリカ・カリフォルニア州、共同創業者兼CEO:Pierre Damien Vaujour、以下Loft)と、宇宙での電力購入に関する契約を締結したと発表しました(Star Catcherによる発表)。

Star Catcherでは、太陽光エネルギーを集光し、無線を通じて人工衛星などの宇宙機の太陽電池パネルに届けるシステム「スターキャッチャーネットワーク(Star Catcher Network)」を開発しており、今年3月には地上での電力伝送実験に成功したことを発表しています(参考記事)。

一方のLoftでは、顧客のペイロードを地球低軌道(LEO)に展開するためのソリューションを提供しており、幅広い顧客の多様なペイロードを扱うために大量、かつ柔軟な電力供給が必要だというニーズがあるということで、Loft共同創業者兼COO(最高執行責任者)のアレックス・グリーンバーグ(Alex Greenberg)氏は、「宇宙での電力供給により、顧客のペイロードとプロセッサの稼働時間が向上して宇宙機の性能が最適化され、衛星コンステレーションがフル稼働することが保証される」とコメントしています。

前述の通り、無線による電力伝送技術は開発途上であり、今後、宇宙空間での実証なども必要になりますが、同技術が実現すれば人工衛星をはじめとした宇宙機の設計・運用に大きなパラダイムシフトをもたらすことになりそうです。

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