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NASAによるアポロ計画で、人類が月面着陸に初めて成功したのが1969年。それから50年以上が経過した今、人類を再び月面着陸させるための月面探査計画「アルテミス」が進められています。人類の進化の証明ともなる同計画、宇宙船には「オリオン」が採用されます。そして、「オリオン」の打ち上げにはなんと「スヌーピー」が搭乗するそうです。 国民的人気キャラクターである「スヌーピー」が、なぜ歴史的計画の一員に選ばれたのか。実は、人々の宇宙への挑戦と「スヌーピー」の間には、長きにわたる深い関わりがあるといいます。宇宙と「スヌーピー」の関係、そして「スヌーピー」の宇宙船における役割について、紹介していきます。目次
「アルテミス計画」第一弾の立役者に?スヌーピー、新型宇宙船「オリオン」で月面探査へ
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アルテミス計画とは
アポロ計画以降で初めて、女性を含む有人月面着陸を目指す計画が「アルテミス計画」です。同計画は、2030年代の有人火星着陸も視野に含むミッションとして始動しています。 「スヌーピー」が乗船する今回のミッションは、「アルテミス計画」の最初のミッションである「アルテミス1」となります。打ち上げ日時は、2022年8月29日(月)日本時間21:33を予定しているのだとか。「アルテミス1」では、NASAの新型ロケット「SLS」を活用し、新型宇宙船「オリオン」の打ち上げに挑みます。「アルテミス1」では月面には着陸せず、無人で月を周回し、打ち上げから4~6週間後に地球への帰還を予定しています。 「アルテミス計画」の目標である有人月面着陸自体は、2025年に予定している「アルテミス3」にて挑戦を予定。そのため、今回の「アルテミス1」の成功が、人々の夢の実現を左右する大きな足場となるのです。新型宇宙船「オリオン」
人類の進歩への重要なミッションを持つクルーたち。彼らを月面に導く役割を持つのが、新型宇宙船「オリオン」となります。4人のクルーが乗船可能で、スペースシャトルに継ぐ役割を期待されているそうです。「オリオン」自体は月面に降り立つ機能を保持していないため、実際の有人月面着陸時には、スペースX社の宇宙船「スターシップ」に乗り継ぐ必要もあるそうです。NASAと民間の連携が、有人月面着陸の夢を叶えていくことになります。Credit: NASA
スヌーピーとNASAの深い関わり
宇宙探査の大きな発展に貢献する「アルテミス計画」。そのような壮大な計画に、なぜ「スヌーピー」が関係しているのでしょうか。実は、「スヌーピー」とNASAの間には、アポロ計画時代から始まる深い関わりがあるのです。Credit: PEANUTS
FIRST BEAGLE ON THE MOON
「スヌーピー」とNASAとの関係が始まったのは、1969年からです。当時、月に向けて打ち上げられたアポロ10号。そのコードネームとして、着陸船には「スヌーピー」、司令船には「チャーリー・ブラウン」が命名されていたのです。 さらには同年、原作コミックにて「アストロノーツスヌーピー」が登場しました。コミック内にて「FIRST BEAGLE ON THE MOON = 月に降り立った、世界初のビーグル犬」というセリフも登場し、宇宙×スヌーピーの歴史は幕を開けたと言われています。シルバー・スヌーピー賞
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宇宙飛行士は、ISSにて人類と宇宙の共存に関わる、さまざまなミッションに挑戦しています。そして、ミッションの成功は人類の未来に大きく貢献することとなります。NASAは現在、貢献度の高い宇宙飛行士に対して、シルバー・スヌーピー賞を授与しています。 シルバー・スヌーピー賞は、その名の通り、純銀製の宇宙服を着たスヌーピーバッジ。ミッション成功や、安全のシンボルとしての意味合いもあるようです。無重力空間を人々に伝達!スヌーピーの役割って?
今回のミッションで、「スヌーピー」は宇宙船の飛行状態を確認し、船内が重力から解放されたことを確認する「無重力インジケーター」の役割を担います。つまり、「スヌーピー」が宙に浮かぶことで、無重力状態に突入したことが視覚的に分かるようになるのです。また、「オリオン」にはスヌーピーの他に3体のマネキンが乗船を予定しています。彼らは月面を周回している間、宇宙船内で発生する加速や振動などのデータを収集します。将来の有人化に向けて、大切な役割が期待されているのです。スヌーピーが伝える、宇宙の魅力
国民的人気キャラクターである「スヌーピー」。私たちにとって非常に馴染みのある存在だからこそ、「スヌーピー」が伝える宇宙の魅力は、私たちに一層伝わりやすくなるでしょう。実際には、「アルテミス計画」の成功にも関わる役割を担う宇宙飛行士「スヌーピー」に、ぜひとも注目してみてはいかがでしょうか。綱嶋 直也