ISSまで約2時間30分? ”宇宙エレベーター構想”とは

宇宙ビジネスが民間でもできるようになったり、民間の宇宙飛行士が出てきたりとより身近になった宇宙。はたして、宇宙は宇宙船に乗らないと行けないのでしょうか?もしかしたら、宇宙エレベーターを使うと誰でも宇宙に行けるかもしれません。今はまだ開発段階なのですが、どういった建築構想なのか、いつ頃完成するのかについて解説していきます。

 

■目次

(1)宇宙エレベーターとは?

(2)【いつ?】宇宙エレベーターが完成するのは2050年

(3)アースポートの候補地は3か所のみ

(4)宇宙エレベーターの実現が宇宙船を不要にする日も近い

 

(1) 宇宙エレベーターとは?

宇宙エレベーターと聞いて、どういうこと?と思う人もいることでしょう。そこで宇宙エレベーターの概要を簡単に解説します。

宇宙エレベーターは、簡単に言うと宇宙空間と地球をエレベーターで行き来できるようなものです。日本での宇宙エレベーターの建築構想プロジェクトは「大林組」によって発表されました。宇宙エレベーターは、宇宙船のデメリットを大幅に改善できるとして期待もされています。

 

Credit:大林組

 

仕組みは、カーボンナノチューブという丈夫で軽い素材をワイヤーにして宇宙と地球を繋ぎ、人や物をカプセルで運ぶようなイメージです。宇宙船では、物資は5%ほどしか運べず多く運べません。ですのでISSへの物資供給をするためにこうのとりが毎回毎回忙しなく宇宙へ飛び立っているのです。しかし、宇宙エレベーターを使えばその制限もなく、ISSへは約2時間30分で着くため物資供給をたくさんできます。さらに、エレベーター内は気圧調整が出来ている空間なので特に無重力訓練などせずとも気軽に宇宙へ行けてしまうのです。開発者によると、地球から宇宙へ入った感覚もあまり分からないとのこと。

(2) 【いつ?】宇宙エレベーターが完成するのは2050年

では、宇宙エレベーターはいつ頃完成するのでしょうか。プロジェクト案はできているのになぜ、いまから29年も先なのでしょうか。どうやら、その理由はアースポートと呼ばれる地球から宇宙へ繋がるエレベーター設置箇所と課題が原因のようです。

 

 

(3) アースポートの候補地は3か所のみ

Credit:大林組

 

海上かつ赤道上で宇宙から地球へ伸ばすワイヤーの遠心力と重力が釣り合うようなところはなかなかなく候補地はどこも発展途上国になります。発展途上国に対し、宇宙計画のプロジェクトを進めるにあたり治安や信頼性などが問題視されており、現段階ではアースポートを設置できていない状態になります。

 

ちなみに、候補地は以下の3つ。

・インド洋上

・アフリカ西方洋上

・ガラパゴス諸島

 

(4) 宇宙エレベーターの実現が宇宙船を不要にする日も近い

宇宙エレベーター建築構想とは、「大林組」によって発表した宇宙空間と地球をエレベーターで行き来できるようなものです。2021年の段階では、実現は難しいようです。もし実現可能になったら誰でも行けて、より宇宙が身近になるでしょう。そのためには、さまざまな課題をあらゆる方面で解決していく必要があります。宇宙エレベーターが机上の空論、夢物語と言われるのかそれとも、便利な乗り物として発展していくのかこれからの展開に注目したいところです。


SPACE Media編集部