米航空宇宙局(NASA)の月面探査「アルテミス計画」の1号機となる新型宇宙船オリオンが米東部時間2022年12月11日午後0時40分ごろ(日本時間12日午前2時40分ごろ)、バハ・カリフォルニア州に近いグアダルーペ島の西およそ100マイル(160キロ)地点に着水して地球に帰還したことが発表されました。宇宙船オリオンは、人類を再び月に送る「アルテミス計画」の一環として先月16日に新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」初号機で打上げられました。宇宙船オリオンが初めて月周辺を飛行した25.5日に渡るミッションは無事成功を収めたことになります。
関連記事
無人飛行の宇宙船オリオン帰還!アポロ13号抜き最遠記録(22年12月)
【後編】オリオン宇宙船の3人の「搭乗者」?暴露する放射線を測定(22年9月)
【前編】オリオン宇宙船の3人の「搭乗者」?月に向かうマネキンたち。(22年9月)
オリオン宇宙船とは?アルテミス計画の第一歩!打上げまでに抑えたい4つのポイント(22年9月)
オリオンはパラシュートを広げて速度を下げながらゆっくり降下する「スプラッシュダウン方式」で着水しました。帰還したオリオンのクルーモジュールは、回収のため待機していた米海軍の輸送揚陸艦「USSポートランド」に収容されたのち米国海軍基地サンディエゴへ帰航。その後、クルーモジュールはトラックでフロリダのケネディ宇宙センターへと運ばれ、今後数か月間に渡りオリオンが撮影した画像などの分析が行われる予定です。
今回のミッションは、宇宙船オリオンが地球に帰還する際の高温に耐えられるかどうかや、内部に搭載した3体のマネキンを使って、飛行で発生する加速度・振動・放射能露出量などを調査しました。 NASAは今回の第1段階計画から得られた飛行データに基づいて、2024年に有人での月周辺への飛行、2025年以降に月南極付近への有人での着陸に向けた計画を推進していくとしています。