水蒸気式推進機(水蒸気式エンジン)を開発する東京大学発の宇宙ベンチャー企業Pale Blueは2023年3月13日、ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)が国立大学法人東京大学(以下、東京大学)および宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で推進する「STAR SPHERE」プロジェクトの超小型人工衛星「EYE」に搭載された水蒸気式推進機の軌道上噴射に初めて成功したと発表しました。今後は水を推進剤とした持続可能な小型衛星用推進機の技術革新および実利用の拡大をしていく計画です。
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Pale Blue の水推進機を搭載した「EYE」は同年1月3日、SpaceXのFalcon 9ロケットで打上げられ、 現在地球低軌道を周回しています。同社によると、同年3月3日に初めて水推進機の噴射を行い、約2分間の作動を実施し、得られたデータから推力の生成を確認したということです。「STAR SPHER」プロジェクトは、ソニーが今年サービス開始を予定している、「EYE」による宇宙撮影体験サービスで、Pale Blueの水推進機はサービス開始前の軌道投入のために使用される予定です。
STAR SPHERE プロジェクトについて
「STAR SPHERE」は、宇宙をすべての人にとって身近なものにし、みんなで「宇宙の視点」を発見していくプロジェクトです。「STAR SPHERE」が大切にしている「宇宙の視点」とは、宇宙から見るというだけではなく、宇宙を通してものごとを捉え、考えてみることを意味しています。超小型人工衛星『EYE』はソニー製カメラを搭載し、操作シミュレータを用いることで、ユーザーが意図したカメラワークで地球や星々の撮影ができます。今後は撮影体験を一般向けサービスとして提供するほか、撮影体験を活用した、クリエイターやアーティストとの「宇宙視点の芸術」の創作活動や様々な企業との協業に取り組むとしています。本プロジェクトは、「宇宙の視点」を発見することを通して、新たな価値観や感動体験の創出を目指すとともに、地球・環境について学ぶ機会を提供していく考えです。
公式サイト：https://starsphere.sony.com/ja/
Pale Blue について
Pale Blue は、2020 年に創業した東京大学発の宇宙ベンチャー企業です。安全無毒である水を推進剤とした持続可能な小型衛星用推進機の技術革新および社会実装に取り組んでいます。小型衛星実用化の課題となっている推進機に技術革新を起こすことで、次世代の宇宙モビリティインフラ構築を実現し、科学技術の発展に貢献する考えです。
ウェブサイト：https://pale-blue.co.jp/
