「宇宙ビジネスの世界で働きたい」と考えてはいても、どうやって求人を見つければよいのか、さらに、自分に合った企業やポジションをどう判断すればよいのか、いざ転職を考えると一歩が踏み出せない方も多くいるのではないでしょうか。
成長が著しい一方、外からは見えづらい宇宙業界で働きたい人と企業をつなぐエージェントが少ない中でローンチされたのが、宇宙業界に特化した人材紹介サービス「ソラシゴト」です。
ソラシゴトを立ち上げた三浦公裕氏に、宇宙業界の求人動向や転職市場の特徴、宇宙業界で活躍できる人材像などについて聞きました。

株式会社ポテンシャライト 「ソラシゴト」Team Head
新卒で株式会社マイナビに入社し、法人営業として幅広い産業領域の求人広告営業を担当。その後、K-POP音楽事務所の株式会社YG ENTERTAINMENT JAPANで企画などに従事したのち、ベンチャー・スタートアップ向け採用支援に強みをもつ株式会社ポテンシャライトへ入社。IT・ウェブ領域での人材紹介実績を積む中で宇宙産業への人材供給の重要性に着目し、令和7年7月7日に宇宙業界専門エージェントサービス「ソラシゴト」を立ち上げ。チームヘッドとして候補者との面談や企業支援に取り組む傍ら、宇宙業界で働く人々の声を届けるポッドキャスト「宇宙キャリアラジオ」の企画運営や宇宙ビジネス関連のYouTubeに出演するなど発信活動も積極的に行っている。
目次
成長産業に人を集める 宇宙専門人材エージェント立ち上げの理由
人材(HR)業界で大手から中小まで多様な企業の支援経験をもち、ソラシゴトを立ち上げた三浦氏が宇宙産業に着目した転機は、人材ビジネスに携わる中で抱いた「どの産業に人材を集めるべきか」という視点だったといいます。
「人材ビジネスは転職を成功させることだけがゴールなのではなく、『どこに人を配置するのが最善か』を考える仕事であるとも思っています。日本の産業全体を見渡して人材が必要な場所を考えたとき、その一つが宇宙業界でした。今後間違いなく重要性が高まる産業ですが、専門的に支援するエージェントがほとんどいない。それなら自分がやる価値があると考えたんです」(三浦氏)
宇宙業界の求人動向 開発が約7割、事業開発や補助金担当のニーズも拡大
宇宙業界の求人は、大きく開発職、ビジネス職、コーポレート職の3つに分類できます。ソラシゴトが保有する求人の内訳は、開発が69%を占め、ビジネスが15%、コーポレートが16%です(求人内訳は2026年4月時点)。

開発職では、宇宙機の設計・開発を担うハードウェアエンジニアから、組み込みシステムやデータ分析を手がけるソフトウェア系、品質管理など、求められる業務領域は多岐にわたります。一方、ビジネス職では純粋なセールスより事業開発やアライアンス構築、プロジェクトマネジメント(PM)のポジションのニーズが高い状況です。
年代・ポジション別の傾向でみると、少し前まではマネージャークラスや部門の「1人目」の求人が中心でしたが、最近は200〜300名規模に成長した企業を中心に部門2人目以降のメンバークラスの採用も増加。一方、30名以下の企業では引き続き部門1人目の採用ニーズが続いているということです。
また、宇宙戦略基金をはじめとする国の補助金制度が重要なトピックになっていることから、補助金関連の事務などを担当できるコーポレート人材のニーズも増えているそうです。
宇宙専門人材エージェントの強みは、地道な活動に裏打ちされた「情報量」
最近は大手人材紹介会社も宇宙航空分野の求人を扱っていますが、専門エージェントとしての強みは、情報量とその鮮度、深さだといいます。
「他の産業も担当しながら宇宙業界を把握するのは、物理的に難しいでしょう。宇宙領域は専門用語が多く、技術の進展や企業の動きも早い。これに加えて政策や補助金の仕組み、更新状況まで理解するには、業界に入り込んで密に情報収集をする必要があります。鮮度の高い業界情報を把握することは、他業界から宇宙産業に来る候補者の方への支援につながると思っています」(三浦氏)

取引先企業からのコメントを見ても、サービス立ち上げからこれまで、業界の最前線で情報のキャッチアップを続けてきた三浦氏の姿勢が評価されていることがうかがえます。




宇宙業界で活躍できる人材の特徴 専門性+「ヒューマンスキル」がカギ
宇宙業界で重視される採用基準として、三浦氏は①ヒューマンスキル(対人関係構築力)、②Will(やりたいこと)、③Can(専門性)、④Fit(企業とのマッチ度)の4つを挙げます。
候補者のデータを蓄積・分析する中で三浦氏が気づいたのは、転職の成否を分けるのは、「ヒューマンスキル」だということ。
「内定を得た方々の傾向を見ると、専門スキルだけでなく、コミュニケーション力をはじめとしたヒューマンスキルが高い方が多いのです。ここで言うヒューマンスキルは、きちんと意思疎通ができる、対話相手への配慮があるといった『対人関係構築力』です。感覚的なものではありますが、面談の所感として蓄積してきたデータからだんだん傾向が見えてきました」(三浦氏)

宇宙業界は、開発からビジネス、コーポレートまで多様な専門家が協働する現場です。一人で完結する仕事はなく、チームとして成果を出すためのコミュニケーション能力が採用の決め手として重視される背景があるのです。

転職前提でなくてもOK 候補者に寄り添うソラシゴトの伴走スタイル
ソラシゴトでは、候補者と転職前提で接しないことを大切にしています。
面談では、まず相談者の気持ちを整理するところから始めます。「転職したい理由が、現職のままでも解決できることかもしれない。まずその可能性を確認してほしい」というスタンスを崩しません。転職の準備ができていないと判断すれば、副業からの関与や宇宙関連コミュニティへの参加を勧めることもあります。
「転職理由がはっきりしていない状態の方もいますので、そういう場合は、もう少し考えてからにしましょうとお伝えします。こう言われると戸惑うかもしれませんが、入社してから後悔するのでは遅いですから」(三浦氏)
採用選考に進む場合は、企業との定例会議で得た情報をもとに、求人票ではわかりづらい職場の雰囲気や開発スタイルなども共有。もちろん、選考プロセスを通じたフォローも行います。
また、三浦氏は転職支援だけでなく、業界全体の人材基盤を強化する活動も進めています。4月からは宇宙業界入門をテーマにした無料イベントを開始、同月開催分は早々に満席になったとのことです。三浦氏はこのイベントを宇宙企業のオンボーディングにも活用してほしいと語ります(今後のイベント情報はこちら)
「宇宙スキル標準」を求人情報とリンク 「宇宙の仕事」をわかりやすく
さらに、ソラシゴトでは内閣府が策定した「宇宙スキル標準」を視覚化し、同社が保有する求人情報と紐づけるウェブツールを開発しました。
「宇宙スキル標準の資料は、業界外の方には少しとっつきにくい面があります。これを見やすく整理して、気になる職種をクリックすると対応する求人に飛べるような仕組みにしました。どんな職種があるのか、どんなスキルが求められるのかを直感的に把握できるようにして、宇宙業界への転職のハードルを下げられればと思っています」(三浦氏)
宇宙業界の将来展望、キャリアチェンジの第一歩で何をすべきか
今後の宇宙産業について三浦氏は、求人の内容・量ともに変化が進むと見ています。
「今は研究開発フェーズの企業が多いですが、今後数年のうちに事業化・量産対応のフェーズに入る企業が多くなります。そうなれば、これに対応できる人材のニーズが急増するでしょう。チームとして動く規模になれば、若手にもチャンスが広がっていく。研究開発の次のフェーズが見えてきた印象があります」(三浦氏)
最後に、三浦氏は宇宙業界へのキャリアチェンジを考える方へのメッセージとして、こう話してくれました。
「まずは、何かしら行動することが大切です。宇宙関連イベントへの参加、SNSで業界の人に声をかけてみる、我々のようなエージェントに相談するのでもいい。一人で悶々と考えていても、何も変わりません」(三浦氏)
三浦氏が支援した中には「宇宙業界への転職は無理だと諦めていた」という人が入社を果たしたケースもあります。「自動車業界や半導体業界をはじめとした他業界での経験が宇宙企業で求められているケースは少なくない。自分で可能性を狭めないでほしい」と三浦氏は強調します。
数少ない宇宙専門の人材エージェントとして活動の幅を広げるソラシゴト。宇宙業界への「入口」として、その存在感はますます大きくなっていきそうです。
宇宙業界の採用や転職に関する「ソラシゴト」の情報はこちら
宇宙転職(宇宙求人サイト) https://job.agent.potentialight.co/
企業様の問い合わせ https://form.run/@sorashigoto777
転職希望者の問い合わせ https://form.run/@sorashigoto-mendan
Podcast https://open.spotify.com/show/61tFXXMnbQoEYoBqj2lbef?
YouTube https://www.youtube.com/@kimihiro_miura
【編集部よりお知らせ】ニュースのまとめや新着記事をお知らせ!メールマガジン(不定期配信)のご登録はこちらから