小型衛星コンステレーションに関する総合的なソリューション提供を行う株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役 CEO 福代孝良)は、三井住友海上火災保険株式会社(東京都千代田区、取締役社長 舩曵真一郎)との間で包括連携協定を締結し、小型衛星コンステレーションに関わるリスク評価・マネージメントや新たな保険商品やサービス開発に関して協業を開始したことを発表した。
両社は、下記の2点について協業を行っていく。
- 超小型衛星コンステレーションに即した新たな保険商品の開発
- 衛星VDESの海洋マーケットへの利活用の促進
多数の衛星を打ち上げて観測や通信サービスを提供する衛星コンステレーションは近年世界中で増加している。
衛星コンステレーションは、地上との通信や地球観測の頻度を高めることができることから、衛星VDES(VHF Data Exchange System、船舶の予定航路・港湾情報・安全情報をデジタル伝送するシステム)による海洋デジタル化の推進や、気候変動対策といった地球規模の課題の解決等に寄与することも期待されている。
一方、卓上サイズの小型衛星(10cm×20cm×30cm等)による本格的な事業化例は世界的にも少なく、開発初期の段階から、信頼性と効率性を考慮した柔軟な運用の仕組みについて検討を行うことが重要となる。
このため両社は、衛星コンステレーションの産業レベルでの社会実装に向けた事業と技術の両面におけるさまざまな事業リスクの評価と、新たな保険商品の開発を含む事業マネージメントに関して協業するに至ったという。
1つめの「超小型衛星コンステレーションに即した新たな保険商品の開発」に関しては、超小型衛星開発を行うアークエッジ・スペースの技術と約50年にわたり宇宙におけるリスクを宇宙保険で引き受けてきた三井住友海上のノウハウを融合させ、マーケット拡大が見込まれる衛星コンステレーション向けの新たな宇宙保険商品の開発に向けた検討を進めていく。
加えて、今後アークエッジ・スペースの衛星から取得されるさまざまなデータを活用し、三井住友海上が防災・減災への活用や補償前後のサービス開発も進めていく。
2つめの「衛星VDESの海洋マーケットへの利活用の促進」では、両社は産官学連携の組織・衛星VDESコンソーシアムの中でユースケースやビジネスモデル検討、地上VDES通信実験、実衛星利用サービス開発を進めており、海洋マーケットにおける新たなリスクマネジメントの検討を進め、衛星VDESの利活用の促進を図っていくとしている。