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目次
宇宙産業で求められる人材基盤の強化に向け、「宇宙スキル標準」の試作版が公開
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Credit: 宇宙スキル標準(試作版)取扱説明書
2025年2月25日、内閣府 宇宙開発戦略推進事務局は、宇宙産業の人的基盤の強化を目的とした「宇宙スキル標準」の試作版を公開し、同日に説明会が開催されました(内閣府による発表)。
宇宙スキル標準が作成された背景には、宇宙産業が世界的な成長産業であり、宇宙技術を活用したサービスも多数登場している一方で、国内で宇宙産業に従事する人材が非常に不足しているという現状があります。
今回公表された試作版では、宇宙開発分野に求められるスキルが「プログラム 創造・組成」「プロジェクトマネジメント」「基盤技術」「設計・解析」「試験」「製造・加工」「打上げ・衛星運用」「コーポレート」とカテゴリ分けされており、各カテゴリで求められるスキル項目が列記されています。
このスキル標準に挙げられた事項は、「必ず満たすべき」というものではなく、各企業や団体が自らの状況に応じて取捨選択することが重要で、これをガイドとして採用や人材育成に活用していくことが求められます。
また、事務局では宇宙産業での就業していたり就業を希望する社会人や学生といった個人、教育機関や人材紹介会社でもスキル標準を活用してもらうことで多面的に人材基盤の強化を行いたいとしています。
スキル標準は状況にあわせて更新・改訂されていく予定で、利用側としても定期的なチェック・見直しが必要でしょう。
「宇宙スキル標準(試作版)」は、こちらからダウンロードできます。
JAXA、破損した種子島の試験設備を今年秋ごろ復旧へ イプシロンS爆発原因は調査中
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Credit: JAXA記者会見配布資料より
2025年2月25日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は記者会見を開き、「イプシロンS」ロケット燃焼試験中の爆発で破損した種子島宇宙センターの試験設備について、2025年秋ごろの復旧完了を目指すと発表しました。
「イプシロンS」は、2022年まで運用されていた「イプシロン」の後継機として開発中の固体燃料ロケットです。2024年11月26日、種子島宇宙センター竹崎地上燃焼試験場において、第2段モーターを横向きに地上に固定して燃焼させ、各種データを取得して設計が適切かを判断する「地上燃焼試験」を行いましたが、試験途中に爆発しました。この影響により、同試験場の設備が破損し、使用不能な状態になっていました。
会見では設備の復旧状況が報告され、現在は撤去作業が完了した状態だといいます。また、今後の計画について、損傷が激しい後部側の設備を再製作し、外観では損傷が見られない前部側の設備は、正常に動作するかを確認したうえでそのまま使用し、2025年秋ごろの復旧完了を目指すとしました。
なお、爆発原因は調査中で、モーター内の推進薬(固体燃料)と断熱材(インシュレーション)の間の一部に、約65mmの隙間があったことが判明しましたが、現時点で爆発原因との関連は不明だといいます。JAXAは引き続き、2024年12月に示した3点の事象を軸に原因調査を進めるとしています。
ブルーオリジンが宇宙観光ミッション「NS-30」打ち上げ 起業家など6名が飛行体験
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Credit: Blue Origin ウェブサイト
アメリカ中部標準時2025年2月25日午前9時50分(日本時間 26日午前0時50分)、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏率いる宇宙開発企業ブルーオリジンは、宇宙観光ミッション「NS-30」を打ち上げました(ブルーオリジンによる発表)。
NS-30に搭乗したのは起業家や冒険家、研究者など6名で、ブルーオリジンの西テキサス発射場から打ち上げられて高度約110キロメートルに到達、搭乗員は3〜4分間ほど微小重力環境を体験したということです。
ブルーオリジンによると、リピーターを含め、ニューシェパードで宇宙飛行を行った人数はのべ52名になったとしています。
NASA、「プラネタリー・ディフェンス」のための探査機打ち上げをSpaceXに委託
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2025年2月21日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、地球に衝突の恐れがある小惑星や彗星を検出・観測することを目的としたミッションの打ち上げサービス提供企業にSpaceXを選定したと発表しました(NASAによる発表)。
契約総額は約1億ドル(約150億円)。2027年9月以降にフロリダから、ファルコン9ロケットで打ち上げられる予定です。
このミッションで打ち上げられるのは、直径約50センチの望遠鏡を搭載し、2つの熱感知赤外線波長による観測ができる「NEO(Near-Earth Object)サーベイヤー」。従来の観測手段では発見が難しかった暗い小惑星も検出できるといい、地球に衝突した場合に地域に重大な被害をもたらす可能性がある、直径140メートル以上の未知のNEOを発見することを目指します。
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