中国の有人宇宙船「神舟15号」が29日深夜(日本時間30日未明)に中国北西部の酒泉衛星発射センターから打上げられ、宇宙当局は30日、中国が独自に開発を進めてきた宇宙ステーション「天宮」とのドッキングに成功したと発表しました。神舟15号に搭乗した宇宙飛行士3人は、半年間の滞在期間中に、天宮の本格運用を始めるとしています。
中国宇宙船「天宮」の本格運用に向けて
神舟15号は、発射センターで打上げられてから約30分後に予定された軌道に入ったことが確認され、その6時間後、地球の周回軌道上で展開する天宮の中核部分に連結しました。宇宙ステーション「天宮」は、中核部分と二つの実験施設で構成されており、今後長期滞在する3人の宇宙飛行士は、科学や宇宙技術などの実験を行うほか、3~4回の船外活動を実施するとしています。
また、中国は宇宙ステーションを対外的に開放する姿勢も示しており、来年以降にドイツやイタリアなど17カ国との科学実験プロジェクトも進めるとしています。
中国は今回の打上げを天宮建設における最後の飛行任務と位置付けており、実質的には天宮は完成したこととなり、「宇宙強国」を掲げてきた習近平指導部にとって大きな成果となります。
宇宙空間での人員交代に成功した中国
今年6月から半年間天宮に滞在していた男性2人女性1人の宇宙飛行士は、神舟15号に搭乗した新たな3人と合流し引き継ぎを行いました。数日間6人で滞在したのち、4日夜、先に滞在していた3名が搭乗する「神舟14号」が内モンゴル自治区に着陸したと発表されました。宇宙空間での人員交代は中国として初めてで、国営メディアは人員交代の成功を大々的にアピールしています。