2023年2月1日、世界5カ国の学生メンバーで構成される火星探査機開発チーム「KARURA」プロジェクト(プロジェクトマネージャー:垣内啓邦)が発足されました。同チームは2024年夏、米国・ユタ州で開催される火星探査機国際競技大会「University Rover Challenge(URC)」での優勝を目指し、火星探査機の製作を進めているということです。国際的なメンバーで構成された学生チームによるURCへの出場は今回が初めてとなります。
「KARURA」プロジェクトとは
「KARURA」プロジェクトは“国境を越えた宇宙開発の創造”をビジョンに掲げ、日本や米国、中国など世界5カ国の学生が参加する火星探査機開発チームです。これまでの宇宙開発は、国際武器取引規則(ITAR)などの規制により国際協力が厳しく制限され、国家的に閉鎖的な環境で行われてきました。このような状況の中、本プロジェクトは国内のみにとどまらない、グローバルな宇宙開発と協力活動の促進を目的として発足されたということです。
同チームには宇宙理学や地学、ロボティクスなど様々な興味分野を持つメンバーが在籍。拠点は日本とアメリカにあり、国際協力体制で探査機の開発が進められています。
本プロジェクトは、探査機初号機(試験機)を開発・製作する「Term1」、実証実験の結果をもとに各部分の改良を行う「Term2」、優勝に向けてさらに改良を重ねる「Term3」の3つのフェーズに分割されます。現在は「Term1」の段階で、2023年3月に予定されている伊豆大島での実証実験に向けて試作機の開発に取り組んでいるということです。
なお、本プロジェクトは、2023年2月1日から2月3日に東京ビッグサイトで開催される「国際宇宙産業展2023」にて、現在開発を進めている火星探査機のモックアップ展示およびミッション内容についてのパネル展示を行っております。
※国際宇宙産業展に関する詳しい情報は、主催者である日刊工業新聞社のサイト等をご覧ください。
https://biz.nikkan.co.jp/eve/isiex/
火星探査機国際競技大会(URC)について
URCは、次世代の火星探査機を設計・開発し、その性能を競う大学生を対象とした世界最高峰のロボット工学コンテストです。2006年にスタートして以来、毎年6月に米国・ユタ州南部の砂漠で開催されています。学生チームは書類による事前審査と本大会における4つのミッション(地質調査、部品配達、機器操作、自律誘導)において各100点満点で評価され、合計500点満点で獲得したポイントを競います。事前審査では、資金調達計画やマネジメント方法などをまとめた中間報告レポートの内容をもとに採点されます。URCは才能ある学生を国際的に集めており、日本チームからの出場は今回が初めてということです。
「KARURA」プロジェクト問い合わせ先
渉外部門 メディア戦略担当
出口隼詩(でぐちしゅんし)
メールアドレス:karura.urc@gmail.com