植物実験から細胞、タンパク質および立体培養と多様な宇宙実験サービスの拡充を目指す。
宇宙産業の活性化や宇宙業界の新事業創出をサポートする株式会社DigitalBlast(以下DigitalBlast)は2023年2月8日、国際宇宙ステーション(ISS)での細胞実験に特化した小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ Alpha(アマツ・アルファ)」の開発に着手したことを発表しました。ライフサイエンス分野における多様な宇宙実験のニーズに対応するため、月面での生態維持循環システム構築に向けたプロジェクト「NOAH(ノア)」のサービスラインアップの拡大を目指しています。
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目次
開発背景
近年、米航空宇宙局(NASA)によるアルテミス計画をはじめとした有人宇宙探査が盛り上がりを見せており、宇宙環境での食の確保や植物栽培に対する課題意識が高まっています。ISS等の微小重力環境が植物の育成に大きな影響を及ぼすことが明らかになっていますが、月や火星といった低重力環境の植物育成への影響は現在十分に把握できていません。
DigitalBlastはこの状況を踏まえ、月面での生態循環維持システム構築に向けたプロジェクト「NOAH」を立ち上げ、プロジェクトの第一歩の位置づけとして、多様な重力環境下での栽培・培養を通して、生物の重力応答に関する基礎データを取得する植物生理の研究を主目的とした小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」を開発し、2024年のISSへの設置・運用を目指しています。
人類の宇宙進出が加速する今日において、植物栽培に加え、宇宙環境が細胞に及ぼす影響を把握する必要があります。そこで、DigitalBlastはプロジェクト「NOAH」の新たな取り組みとして、微小重力環境における細胞培養実験に特化した小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ Alpha」の開発に着手しました。
小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ Alpha」について
本装置は、ユーザビリティを意識したAMAZの設計思想そのままに、細胞実験を目的とした小型の宇宙実験装置です。AMAZ同様、月面と同じ地球の6分の1の重力の他、回転速度を変更することによりさまざまな重力環境を再現し、同時比較することが可能です。多様な重力下での培養を通して、細胞の重力応答などの基礎データを取得します。
これまでの細胞培養の宇宙実験では、培地の交換など宇宙飛行士による操作や作業が発生していましたが、本装置では培地や試薬の自動送液機能を搭載し、宇宙飛行士の作業工数を削減します。また、細胞観察を行う機能として蛍光観察装置を内蔵することで、実験環境下のまま細胞の変化を観察することができ、装置内で実験を完結できます。
DigitalBlastは2025年ごろのISSへの打上げを目指して本装置の研究・開発を進めており、開発する装置は、民間企業や研究機関向けに実験環境として提供されます。
今後のプロジェクト「NOAH」の宇宙実験サービスの展開について
植物科学実験のAMAZや細胞実験を可能とするAMAZ Alpha、高等植物の栽培実験を目的とし給水機能を備えた「TAMAKI(タマキ)」の他、たんぱく質結晶成長の宇宙実験を実施するため、周辺温度環境を制御する可搬型インキュベータの開発を予定しています。
この装置は、AMAZやAMAZ Alphaを収納して精密な温度管理環境下での実験を可能とします。さらには、iPS細胞などを用いた立体培養実験を提供するため「AMAZ Omega(アマツ・オメガ)」を構想しています。
株式会社DigitalBlast(デジタルブラスト)について
DigitalBlastは“宇宙に価値を”提供するため、常に挑戦し宇宙産業の変革を目指しています。日本の宇宙産業をより価値あるものにしていくためには、BtoGビジネス(企業対行政間取引)に偏らない多様な収益源の確保が必要です。事業戦略・デジタル・プロモーションなど多様なプロフェッショナルが在籍し、総合提案を強みとしています。クライアントの収益源を多様化し、新たな宇宙産業の価値確立に努めます。
会社名:株式会社DigitalBlast(英文表記:DigitalBlast, Inc.)
所在地:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング19階
代表者:代表取締役CEO 堀口真吾
設立:2018年12月
ホームページ:https://digitalblast.co.jp/
事業内容:企業変革に関する企画・設計及び支援、デジタル技術の開発及び支援、統合マーケティングサービス、デジタルマーケティングサービス、インターネット広告サービス、動画制作及び配信