世界5カ国の学生メンバーで構成される火星探査機(ローバー)開発チーム「KARURA」プロジェクトは2023年4月11日、火星探査機の試作機1号機が完成したと発表しました。この試作機を用いた試走実験は先月、千葉県千葉市の東京大学検見川総合運動場にて実施。急勾配の坂を登る実験や、カメラからの映像のみでの操縦実験、通信実験等が行われ、複数の内容で目標を上回る性能を発揮したということです。
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火星探査機国際競技大会への出場に向けて
2023年2月1日に発足された「KARURA」プロジェクトは、“国境を越えた宇宙開発の創造”をビジョンに掲げる、日本や米国、中国など世界5カ国の学生で構成された火星探査機開発チームです。同プロジェクトチームは、2024年6月に米国・ユタ州で開催される火星探査機国際競技大会「University Rover Challenge(URC)」への出場に向け、火星探査機試作機の設計ならびに開発を進めています。現在は、試作機1号機の開発・試走が完了しており、同年4月からは新メンバーとともに試作機2号機の開発に着手。最終的な完成は8月を目指しているということです。
なお、火星探査機国際競技大会(URC)は次世代の火星探査機を設計・開発し、その性能を競う大学生を対象とした世界最高峰のロボット工学コンテストで、毎年6月に米国・ユタ州南部にある砂漠で開催されています。チームは書類による事前審査と本大会における4つのミッション(地質調査、部品配達、機器操作、自律誘導)において各100点満点で評価され、合計500点満点で獲得したポイントを競います。事前審査では、資金調達方法やマネジメント方法をまとめた中間報告レポートの提出が審査の対象となります。
試作機1号機の試走実験
今回実施された試作機1号機の試走実験では、操縦実験や通信実験などにおいて目標を上回る性能を発揮したと報告されています。
KARURAプロジェクトの日本リーダー兼創設者の瀬戸晴登は「試作機1号機の知見をもとにURCに出場できるレベルの火星探査機を作ること、そして、学生主体の国際宇宙開発モデルになるべく、より良いチーム作りを進めていきたい」とコメントしました。
試作機1号機の試走実験における詳しい結果がまとめられた「実験報告書」は、同年4月23日まで行われているクラウドファンディングのリターン品として公開されます。なお、集まった寄附金は火星探査機試験機1号機および2号機の製作に必要な、電子部品や通信機器の購入に充てられているということです。
また、今回実験で使用されたローバーは4月10日~4月22日にJAXAオフィシャルグッズも多くそろえる東京都浜松町の宇宙ショップ「宇宙の店」で展示されます。宇宙の店では試作機のほか、KARURAプロジェクトの活動の様子の写真なども展示される予定です。
「宇宙の店」公式サイト:https://spacegoods.net/
営業時間:月〜金 9:30~18:00(土曜 10:30~)
定休日 :日祝・年末年始(祝日が土曜日の場合は営業)
KARURAプロジェクト問い合わせ先
ビジネス部門 渉外担当
石田 稜馬(いしだりょうま)
メールアドレス:karura.urc@gmail.com
HP: https://karura.space/#/
Twitter: https://twitter.com/karura_urc?s=20