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100BANCHのGARAGE Programに火星探査機開発プロジェクト「ARES」が採択

「100年先の世界を豊かにするための実験区」というコンセプトを掲げ、これからの時代を担う若い世代とともに新しい価値の創造に取り組む複合施設「100BANCH」は、アクセラレーションプログラム「GARAGE Program」の第70期において、火星探査機開発プロジェクト「ARES」を採択したと発表しました。

Credit: ARESプロジェクト

多様な学生が集うARES

ARESプロジェクトは、火星探査機の学生世界大会「University Rover Challenge (URC)」に、日本チームとして初の出場を目指す学生団体プロジェクトです。同プロジェクトには、航空宇宙工学、機械工学、地学、アストロバイオロジー、電子工学、医学など多様なバックグラウンドを持つ20名以上の学生が集結。慶応義塾大学および東北大学のメンバーを中心に、東京(慶応大学)と東北(東北大学)の2拠点で分担して火星探査機の開発を進めています。

同プロジェクトは、様々な要求ミッションをこなす火星探査機を開発し、世界大会初出場を成し遂げることで日本の探査機開発に勢いをもたらすことを目指しています。加えて、火星探査機の開発で培った技術を海岸のごみ回収ロボットに活かしていく計画もあり、宇宙開発を地球に還元することで新たな可能性を示していきたいとしています。

世界最高峰のロボット工学コンテスト出場を目指す

2022年2月に結成された「ARES」プロジェクトは、2024年6月に米国ユタ州で開催されるURCへの出場を目指し、これまでに4機の試作機を製作。現在は、チーム総勢で最新の5号機の設計および開発を進めています。
今回「GARAGE Program」に採択された「ARES」プロジェクトは、同プログラムを活用しながら、未来に向けた実験に3カ月間取り組んでいくということです。

なお、ARESプロジェクトが出場する「URC」は、大学生を対象とした世界最高峰のロボット工学コンテストで、毎年6月に米国・ユタ州南部にある砂漠で開催されています。チームは次世代の火星探査機を設計・開発し、その性能を競います。毎年12月と3月に予選審査が行われ、選ばれた36チームが6月の本戦に出場することができます。

Credit: ARESプロジェクト

新たな価値の探求と社会実装を加速する「100BANCH」

「100BANCH」は、パナソニックが創業100周年を迎えることを機に「常識にとらわれない若いエネルギーの集まりが、100年先の未来を豊かにしていく」という想いから2017年7月7日に開設された複合施設です。施設内は、新たな知との交流を生むイベントスペース「ロフト」、多彩なプロジェクトのためのワークスペース「ガレージ」、未来の食体験を探求する「キッチン」の3つの柱で構成。

コアプログラムである「GARAGE Program」では、これまでに280以上のプロジェクトを採択し、野心的な若者たちが未来を創造していく一歩として24時間365日実験可能な「場所」を提供してきました。また、各分野の第一人者であるメンターによるアドバイス、年間100を超えるイベントや大型展示会などでの発信の「機会」を提供するなど、100年先につながる新しい価値の探求と社会実装に向けて加速支援を行っています。

100BANCHホームページ: https://100banch.com/

「100BANCH」 3F Loft(全景)
Credit: パナソニック株式会社