3年ぶりの改定となる「宇宙基本計画」
2023年6月13日、総理大臣官邸で第28回宇宙開発戦略本部が開催された。宇宙基本計画とその工程表、宇宙安全保障構想の案等について議論が行われ、正式に決定された。
宇宙基本計画は、わが国の宇宙開発利用の最も基礎となる計画。
現行の第4次計画は2020年6月に閣議決定されたもので、岸田文雄総理は昨年12月に行われた宇宙開発戦略本部会合で、2023年夏をめどに宇宙基本計画を改定する方針を表明していた。
宇宙基本計画(案)では、人類の活動領域が本格的に宇宙空間に拡大し、衛星による通信や測位等、宇宙システムが地上のシステムと一体となって地球上の課題解決に貢献している状況のなか、宇宙空間というフロンティアにおける活動を通じてもたらされる経済・社会の変⾰(スペース・トランスフォメーション)が世界的な潮流となっていることを指摘。
(1)宇宙安全保障の確保、(2)国⼟強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現、(3)宇宙科学・探査における新たな知と産業の創造、(4)宇宙活動を⽀える総合的基盤の強化を目標と将来像に据えている。
また、宇宙産業を⽇本経済における成⻑産業とするため、その市場規模を、2020年に4.0兆円から2030年代早期に2倍の8.0兆円にすることも掲げている。
宇宙安保の戦略文書「宇宙安全保障構想」も決定
宇宙安全保障構想(案)では、宇宙安全保障上の目標を「我が国が、宇宙空間を通じて国の平和と繁栄、国民の安全と安心を増進しつつ、同盟国・同士国等とともに、宇宙空間の安定的利用と宇宙空間への自由なアクセスを維持すること」とし、宇宙からの安全保障・宇宙における安全保障・宇宙産業の支援・育成という3つのアプローチから、安全保障のための宇宙アーキテクチャを構築するとしている。
宇宙基本計画(案)と宇宙安全保障構想(案)の概要は下記より参照できる。
宇宙基本計画(案)の概要:
https://www8.cao.go.jp/space/hq/dai28/siryou1.pdf
宇宙安全保障構想(案)の概要:
https://www8.cao.go.jp/space/hq/dai28/siryou2.pdf