【世界初】SpaceX社が実現する民間人だけの宇宙旅行

2021年2月、SpaceX社が、全クルー民間人で宇宙を旅行するというプロジェクト“Inspiration 4”を発表しました。9月15日午後8時(日本時間:9月16日午前9時)アメリカのフロリダ州にあるケネディー宇宙センターから打ち上げされる予定です。



Credit: https://inspiration4.com/


Inspiration 4の4人のクルーは、SpaceX社のクルードラゴン宇宙船に搭乗し宇宙へ飛び立ち、高度約540kmの地球周回軌道を3日間飛行します。プロジェクトの企画者は、米決済処理企業シフト・フォー・ペイメンツ(Shift4 Payments)の創業者・最高経営責任者のジャレド・アイザックマン氏です。民間・軍用機を操縦する熟練したパイレットとして複数の世界記録を持っており、このプロジェクトのコマンダーを担います。そして、アイザック氏により選抜された最初のクルーが、アメリカのテネシー州にある、セント・ジュード小児科病院で医師助手として勤務するヘイリー・アルセノー氏です。アルセノー氏は10歳の時に骨肉腫を発症し、同病院で治療を受けました。このミッションが成功すると、彼女が米国人最年少で、世界初人工装置(義肢)を装着した人として宇宙へ行きます。また、このInspiration 4のミッションは、セント・ジュード小児科病院への募金活動に多大な貢献をしています。




Credit: https://inspiration4.com/


3人目のクルーは、セント・ジュード小児科病院に募金をした人の中から選ばれた、クリス・センブロスキー氏です。米空軍退役兵であり、現在は米航空防衛機器大手のロッキード・マーチン社に勤務しています。4人目のクルーは、2009年のNASAの宇宙飛行士募集の最終選考に残ったサイアン・プロクター氏です。プロクター氏の父親はアポロ計画進行中にNASAで勤務しており、彼女は黒人女性で史上4番目に宇宙に行くことになります。



Credit: Inspiration4_YouTube


SpaceX社のCEOであるイーロン・マスク氏は、「夢の宇宙を、誰にとっても行きやすいところにしたい。最終的に、SF(サイエンスフィクション)を、永遠にノンフィクションにする。」とコメントしました。9月6日から全4回に分け、NetflixでInspiration 4のドキュメンタリー・シリーズが配信されています。打ち上げの様子は、YouTubeにてライブ配信される予定です。

 

SPACEMedia編集部