• HOME
  • ニュース
  • ESAの木星氷衛星探査機「JUICE」打上げ成功 - SPACE Media

ESAの木星氷衛星探査機「JUICE」打上げ成功

欧州宇宙機関(ESA)が主導し、日本やアメリカ、イスラエルが参加する木星氷衛星探査計画「JUICE」の探査機は2023年4月14日午後9時14分(日本時間)、南米フランス領ギアナ宇宙センターからアリアン5ロケットで打上げられました。「JUICE」は木星とその氷衛星を研究し、それらの地質学的・化学的特性・内部構造・生命存在の可能性を明らかにすることを目指しています。

関連記事

ESA主導の木星氷衛星探査機「JUICE」、4月13日に打上げ(23年4月)

Credit: ESA

打上げの詳細

「JUICE」探査機を搭載したESAのアリアン5ロケットは2023年4月14日、フランス領ギアナのクールー宇宙基地から打上げられました。JUICEは打上げから26分後、アリアン5ロケットの上段から正常に分離し、その約15分後にはJUICEからの信号を受信。さらに30分後、合計面積85平方メートルにもなる2つの大型太陽電池パネルの展開にも成功しました。ESAによると、JUICEからの信号の取得は予想より少し遅れたものの、正常な範囲内で行われたということです。

当初、打上げは同年4月13日夜に予定されていましたが、前日の天候の影響で1日遅らせての実施となりました。

なお、「JUICE」探査機に搭載された11種類の観測機器のうち、日本は4つの機器でハードウェアの一部を提供。2つの機器で共同研究者として参加しています。
今回の打上げについてJAXAのJUICE所内プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ齋藤義文氏は「JUICEは、今、大きな関門を突破しガニメデに向けて出発しました。誰も行ったことのない世界を訪れ、誰も見たことのないデータを得て、多くの科学成果をお届けできるよう、ミッション完了までの長い10年改めて身を引き締め取り組みます」とコメントしました。

今後のミッションについて

JUICEは2031年7月に木星の軌道に入り、ガニメデ、カリスト、エウロパの3つの氷衛星のフライバイを合わせて35回実施。これら3つの衛星の表面および地下海洋の性質を特定し、生命存在の可能性を調査します。その後、2034年12月にはガニメデの周回軌道に入る予定で、2035年9月まで観測を行う計画です。

今回の打上げは、アリアン5ロケットの6回目の飛行となり、後継機であるアリアン6に切り替えられるまでに、残り1回の打上げが残っています。また、ESAによると、アリアン6ロケットの初飛行は2023年末に計画しているということです。

Exploring Jupiter and Ganymede (artist’s impression)
Credit: ESA