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天地人の「宇宙ビッグデータ米」、今夏の異常高温の中で一等米の品質を維持

Credit: 株式会社天地人 プレスリリース

Credit: 株式会社天地人 プレスリリース

JAXA認定の宇宙ベンチャー、株式会社天地人(東京都中央区、代表取締役 櫻庭康人)は、2023年12月20日、米卸で国内大手の株式会社神明(東京都中央区、代表取締役社長 藤尾益雄)と、農業ITベンチャーの株式会社笑農和(富山県滑川市、代表取締役 下村豪徳)と協業して3度目の「宇宙ビッグデータ米 宇宙と美水(そらとみず)」の栽培・収穫を行い、一等米の等級を得たと発表した。

「宇宙ビッグデータ米 宇宙と美水」は、天地人が提供する土地評価サービス『天地人コンパス』を活用して栽培適地を選定し生産した米。

3社は昨年度、天地人コンパスにて地球観測衛星のビッグデータをはじめとするさまざまなデータをもとに解析を行い、神明の独自品種「ふじゆたか」の栽培適地の1つが山形県鶴岡市であると判断。

水田IoTセンサーなどを活用してスマートフォンで水管理を自動化できる笑農和のサービス『paditch(パディッチ)』も導入して栽培を行ってきた結果、昨年度は米の美味しさを表す指数の1つである食味スコアでトップブランドと遜色ないスコアを獲得。

今年も昨年に引き続き同じ場所で栽培を行い、より精度を高めることに重点を置いたという。

特に今年は国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏が「地球沸騰化」と表現するほど世界各地で異常気象・高温が相次ぎ、日本でも、気象庁が6〜8月の平均気温が1989年の統計開始以来、最も高くなったと発表している。

こうした高温は稲作にも影響を与えており、農林水産省が今年10月31日に発表した2023年産米の検査結果では、9月末時点で最も品質のよい「1等米」の比率は59.6%。

2022年産米の同時期と比べ16.2ポイント低下しており、この比率は、現行の検査制度が始まった2004年以降で過去最低の数値。記録的な猛暑による高温障害が影響したとみられる。

こうした状況の中、「宇宙ビッグデータ米 宇宙と美水」は昨年に続いて一等米の品質を維持。

地球温暖化の影響が産業活動や日常生活の中にも現れ始める中で、衛星データが気候変動へ適応していくための心強いツールとなりそうだ。

今年収穫された「宇宙ビッグデータ米」は、神明の直営店『米処四代目 益屋』と、JAXAグッズや宇宙食・宇宙グッズを販売する『宇宙の店』で購入することができる。

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