日本企業として初めて「宇宙技術の殿堂」に
2024年4月17日、歯磨き剤の開発等を手がける株式会社サンギ(東京都中央区、代表取締役社長 ロズリン・ヘイマン)は、同社がむし歯予防成分「薬用ハイドロキシアパタイト」配合の歯みがき剤を開発したことが、日本企業として初めて、「Space Technology Hall of Fame®(宇宙技術の殿堂)」の殿堂入りを果たしたと発表した。
「Space Technology Hall of Fame®」は、アメリカの非営利団体Space Foundation(宇宙財団)が創設した、宇宙技術に関する優れた開発を表彰アワード。
2024年4月8日から11日まで、アメリカのコロラドスプリングスで開催された宇宙シンポジウムの中で表彰式が行われ、サンギ代表取締役社長のヘイマン氏をはじめ、開発パートナーである製造委託先の日本ゼトック株式会社の関係者らが出席した。
NASAで研究された技術を歯磨き剤に応用
サンギは、日本で美白高機能歯みがき売上No.1シリーズ「アパガード」や、発売から40年以上のロングセラー薬用歯みがき「アパデント」などを展開しており、むし歯予防成分である「薬用ハイドロキシアパタイト」配合の歯みがき剤は、NASAの技術をヒントに開発されたという。
もともと貿易商社としてスタートした同社は、特許の売買を行う過程でNASAの技術に注目。
1960年代後半にNASAが行っていた、宇宙飛行士の歯や骨を無重力の環境下で守るために歯と骨の構成成分であるハイドロキシアパタイトを口腔内で生成する研究をヒントに、1980年に世界初のハイドロキシアパタイト配合歯みがき剤「アパデント」を開発した。
宇宙飛行士の健康のための研究が、地上の人々の歯の健康を守ることにもつながった今回の事例。今後、宇宙開発が進んでいく中で、宇宙の技術を活用した新製品の開発がより進んでいくことになるかもしれない。