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【夜光雲チャンス!?】10月20日にH3ロケット4号機打上げへ、防衛省の通信衛星搭載

H-IIAロケット32号機打上げ時に観測された夜光雲
撮影:加治佐 匠真

打上げの概要 どんな衛星を搭載する?

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、10月20日(日)にH3ロケット4号機によって、Xバンド防衛通信衛星「きらめき3号」の打上げを実施すると発表した。打上げ場所は種子島宇宙センター。

打上げ予定時間帯は日本時間15時42分~17時30分、打上げ延期時の予備期間は2024年10月21日(月)~11月30日(土)。

「だいち4号」を打ち上げたH3ロケット3号機
Credit: JAXA

H3ロケットは日本が2023年から運用している大型基幹ロケット。試験機1号機の打上げには失敗したが、対策を施して試験機2号機の打上げに成功。2024年7月1日には3号機で先進レーダ衛星「だいち4号」を打ち上げ、試験用ではない大型実用衛星の打上げに成功した(参考記事)。今回の打上げに成功すれば、3機連続の成功となる。

H3ロケット4号機が搭載する「きらめき3号」は、防衛省が整備するXバンド通信衛星網を構築する通信衛星。日本上空の静止軌道上で運用され、気象の影響を受けにくい「Xバンド」とよばれる周波数帯を活用し、部隊行動に関わる重要な通信に使用される。

すでに1号機、2号機が運用されており、今回3機目の打上げとなる。なお、安全保障に関わる衛星のため、打上げの公式ライブ中継は実施されない見込み。

珍しい「夜光雲」 見るための条件は?

また、今回の打上げでは「夜光雲」とよばれる気象現象が観測できる可能性がある。夜光雲は文字通り、暗い空で光っているように見える雲で、日の出前や日没後にロケットが打ち上げられた際などに見られるとても珍しい雲だ(詳しくは参考記事を参照)。

イプシロンロケット3号機打上げ時に観測された夜光雲
撮影:加治佐 匠真

夜光雲は、2017年にH-IIAロケット32号機によってXバンド防衛通信衛星「きらめき2号」が打ち上げられた際にも観測されており、打上げ場所の種子島から1000kmほど離れた関東でも見ることができた。その際の打上げ日時は1月24日16時44分、東京の日没時刻は17時00分で、17時30分から18時30分ごろにかけて多くの目撃情報が寄せられた。

今回の打上げ予定時間帯は15時42分~17時30分、打上げ予定日の東京の日没時刻は16時59分であるため、16時30分以降に打上げ時刻が設定され、風向きや天気に恵まれれば、日没後に夜光雲を観測するチャンスがありそうだ。

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